解散が間近に迫るSMAP。彼らを25年間、全力で追いかけ続けた「女性セブン」スタッフのリアルな証言をお届けする。長年、紅白歌合戦の現場などで彼らを取材してきた記者Sは言う。
「『おれらはバラバラだ』と5人はよく言うじゃないですか。“バラバラ”というのは単独で活動できるという自負の表れでもあり、だからこそそんなパワーの5人が集まると、とてつもないオーラが出る」
本誌にとり『最後のSMAP特写』は2015年9月の写真。この日初めて5人を撮影したカメラマンは「圧倒されてほとんど覚えていない」と言いながらも振り返った。
「ひとりひとりだと割と気さくな雰囲気で取材が進むのに、5人集まった時、その場の空気が一瞬で変わるんです。ああ、スターというのはこういう人たちのことをいうのかと身をもって知りました」
当時35才のカメラマンにとって、SMAPは物心ついた時からテレビで見ていた大スターだった。
「中学生くらいの時に、『スマスマ』が始まって…。ドラマもガンガンにやっていて、『自分とほとんど年が変わらないのになんてかっこいいんだろう』とつねに憧れの対象でした。だからこそ、ものすごく緊張して、でもそれ以上にすごく嬉しくて。そんなふうにドキドキしながら、『ずっと5人を撮影することを目標に、カメラマンとして仕事をしてきたんです』と伝えました。今思い出しても胸がいっぱいになります」
同行した本誌スタッフはメンバーの“気づかい”を思い出す。
「草なぎくんは差し入れのカフェラテをすごく喜んでくれて。『これ、飲んでいいの!? ほんとにほんとにいいの!? みなさん(本誌スタッフ)のじゃないの!? 大丈夫?』って何度も聞いてきて。で、ほんとに差し入れだとわかったら、今度はそれを中居くんにもすすめていて(笑い)。中居くんに『オレはいいんだよ~』って、笑いながら言っていてすごく和んだのを覚えています」
撮影現場で5人でずっとしゃべっていることもないし、楽屋も随分前から別になっていた5人。それを“不仲”だと見る人ももちろんいるが、それは彼らがしっかりとした“個”をもったお互いを尊重して、本番で会ったときにそれがぶつかるエネルギーを最大限に引き出すためだったのかもしれない――今、そんなことを思ったりするのも、彼らがずっと私たちにとって特別な存在だったからなのだろう。
「人生で判定なんかどうでもいいことだよ」
『ビストロスマップ』の最終回でゲストのタモリ(71才)は、冗談めかしてそんな独り言を言った。確かにそうだ。だから本誌は今心から伝えたい。
本当に25年間ありがとうございました!
※女性セブン2017年1月5・12日号