神馬とは、神様だけが騎乗することができる馬。雄馬であること、そして上賀茂神社では白馬であることも重要な条件だ。
「というのも、当神社では毎年1月7日に白馬奏覧神事という行事がありまして、これは白馬でなくては務まりません」
解説してくれたのは、戦後7代目“神山号”。以前はメダイヨンという名を持ち、競走馬として活躍していた。
「神馬は20歳で引退という決めごとがあるのですが、これは神様にお仕えしている間に命を落とすことがあってはならないという理由から。前の“神山号”が2011年にその時期を迎え、わたくしがあとを継がせていただきました」
神馬は日曜日と祭日の朝9時半から午後3時まで神馬舎にいて、神様のお側に控えている姿を参拝客に見てもらうのが主な仕事。
「なにしろ以前の職場では走るのが仕事でしたから、おとなしく控えていることに慣れるまでちょっと時間がかかりました(笑い)」
オフタイムは京都産業大学馬術部の馬房で過ごし、部員に連れられて出社・退社する。「お心持ち」で参拝者からいただくにんじんのオヤツが、楽しみだという、神山号。
「結婚式を挙げる花嫁さんを見るのも楽しみですよ! 藤原紀香サンはキレイだったな~!」
【プロフィール】
名前:神山号 ♂
年齢:12歳
種類:馬(サラブレッド)
勤務先:上賀茂神社
職種:神馬
主な仕事内容:神様の乗用馬として、御用があるまで神馬舎で控えている姿をみなさまにごらんいただくこと。
お給料:お客さまがお心持ちをお供えしてくださる、にんじん。
好きなこと:みなさまにお会いすることと…食べること。
嫌いなこと:大きな音。境内でコンサートがあるときは、ちょっとドキドキしてしまいます。
現在の悩み:特にございません。
将来の夢:神様の馬として、無事に勤め上げることです。
撮影■山口規子
※女性セブン2017年1月5・12日号