全国約1000店舗を誇る業界最大手のコーヒーショップチェーン「ドトール」(DOUTOR COFFEE SHOP)。1980年のチェーン1号店開業時から変わらぬ親しみやすさと低価格帯によって、「サードウェーブコーヒー」がブームとなった昨今でも、いまだに根強いファンが多い。
かつてはサラリーマンが利用する喫煙者向けの喫茶店というイメージも強かったが、昨今では学生や若い女性の支持も集まっているのだという。その理由について都内の大学院生Aさん(24歳男性)はこう語る。
「僕が中高生の頃まで、ドトールといえば喫煙者が多く店内がモクモクと煙い印象がありました。しかしここ数年で、完全分煙の店舗や電源も利用できる店舗が増えてきたので、私のようなタバコを吸わない学生にとっても重宝します。研究上、外でプログラミングをする時間が長いため、電源やWi-Fiが使えると嬉しい。
ドトールよりもスターバックスの方がオシャレというイメージがありますが、『スタバでMacを開いでドヤ顔している』などと揶揄される風潮がうっとうしいため、僕はドトール派ですね」(Aさん)
ドトールでは、完全分煙に該当する店舗が755店、完全禁煙も226店にのぼる。また、コンセント利用が可能な店舗も305店(データはいずれも2016年12月現在)。Aさんが語るように学生も過ごしやすい環境が整いつつあるといえる。
もちろん、ドトールだけでなく他のコーヒーチェーンでもこうした動きは進んでいる。例えばスターバックスでは完全禁煙なうえ、コンセント利用可能な店舗も多いが、Aさんのように「おしゃれな空間」というイメージが苦手な人にとっては、利用しにくいという側面もあるのだろう。
また、最近では若い女性でドトールに通う人も増えてきているという。1か月間ほぼ毎日ドトールに足を運ぶというヘビーユーザーの女子大生Bさん(21歳)は、こう語る。
「私がいつも行っているお店には、若いオシャレな女性のお客さんも多いですね。最近新発売された『ブラウニー』や『フォンダンショコラ』など女性向けメニューも増えていて、周囲でも注文している女子が多いです。
ドトールの最大の魅力は、気取らずに入れることと値段が他のカフェよりも安いことだと思います。授業の間の空き時間に利用するので、毎日行くなら安い方が良いですし、ポイントカードが貯まるのも嬉しいですね」(Bさん)
サードウェーブコーヒーがブームとなった昨今、あらためて古き良きドトールの魅力も再発見されているようだ。