2017年のプロ野球、セ・リーグの注目はやはり巨人の「30億円大補強」だ。日ハムからFA移籍した陽岱鋼(29)は「5年15億円」の大型契約となった。
陽は日ハム時代の10年間で打率3割を超えたシーズンがないだけに、“割高感”を覚えるが、球団には別の皮算用がありそうだ。
「12月の陽の入団会見には母国・台湾から7社が取材に来た。巨人の狙いは、この台湾ビジネスの拡大にある」(スポーツ紙デスク)
昨年、パ・リーグは「FOXスポーツ台湾」と3年契約を結び、公式戦の6割を台湾で中継した。それにより台湾ではパの選手の知名度が上がり、野球観戦ツアーなどで来日する観光客も着実に増えた。巨人は同じことをセ・リーグでやろうとしているというのだ。
「昨年6月には巨人の三軍が台湾遠征。11月には巨人OBのチャリティ試合を現地で開催し、ドラフト7位で台湾・開南大の選手も獲得した。王貞治さんのいた球団としてアピールもしやすい。大型補強で3年ぶりの優勝を果たし、海外ファンも増やして収益が上がるなら、15億円は安いという判断です」(同前)
ただ、そうなると台湾のファンのために陽を使い続けなければいけないことになりそうな気も。豪華すぎる戦力を高橋由伸監督がどう切り盛りするかが最大の注目ポイントか。
※週刊ポスト2017年1月13・20日号