少子高齢化の中でジリ貧の産業は少なくないが、それをもろともしないのが菓子業界だ。なかでもロッテの「スイーツデイズ 乳酸菌ショコラ」は新しい価値を生み出してヒット中。その秘密はどこにあるのか? 作家の山下柚実氏がレポートする。
* * *
少子化なんてどこ吹く風とばかり、拡大している業界がある。3兆3339億円の市場規模を誇る「菓子」市場だ(2015年e-お菓子ねっと年次レポート)。人口減と高齢化の中でちょっと意外な気もするが十年前と比較して市場は一千億円以上拡大している。意外な点はまだある。有名パティシエがひしめく洋生菓子界だが、実は菓子のカテゴリーの中では縮小傾向にあり元気がないというのだ。
では今、業界を引っ張っている「牽引役」とは誰なのだろうか? 2015年に最も売れた菓子とは……?
トップは前年比3.7%増の5040億円と、「初めて5000億円を突破」した菓子、チョコレート。特に最近は「86%」「95%」と、数字を掲げたパッケージが目につく。カカオ成分の「高さ」を示している数字だ。抗酸化作用を持つカカオポリフェノールを切り札にして、市場競争を勝ち抜こうとしている。
いや、ポリフェノールだけではない。さらに新たな価値を備えたチョコが登場し、今注目を浴びているという。2500万個の出荷を突破したというその商品とは? 新しい価値とは何なのか? 発売元のロッテを訪ねて人気商品の秘密を探った。