国内

直虎眠る、浜松・龍潭寺の美しい庭園

井伊家の礎を築いた女傑・直虎が眠る龍潭寺の庭

 徳川家康が青年期を過ごし、後にホンダ、スズキ、ヤマハなど日本を代表する企業が誕生した“出世の街”・静岡県浜松市。東京、大阪から約1時間半、アクセスも抜群の魅力の宝庫を訪ねた。

 そんな浜松は、新大河ドラマ『おんな城主 直虎』で注目を集めている。柴咲コウ演じる主人公の直虎は、戦国時代、井伊家22代当主・直盛の一人娘として生まれる。幼い頃に許嫁・直親と生き別れになり、出家。後に女城主となり、跡継ぎのない井伊家断絶の危機を救った。

 話題の浜松の気質について地元の人に尋ねると、「働き者が多い」「好奇心が旺盛」「女が強い!」…。女城主として井伊家を守った直虎も、そんな気質だったのかもしれない。

 直虎が出家し、井伊家の菩提寺でもある『龍潭寺』を訪れると、20代住職・武藤宗甫さんが庭を案内してくれた。「本堂東にある書院から庭を眺めると、川の向こうに位牌堂が見え、此岸と彼岸が再現されています。先祖を偲ぶ想いがうかがえる庭なんです」。奥にいくほど小さな石を据え、遠近法により位牌堂は実際よりも遙か遠くにあるように見える。戦国の世を駆け抜けた直虎も、今ここに眠っている。

 本堂の裏に回ると、地元の三岳山と浜名湖を表現した庭が。中央の1つだけ尖った大きな守護石はお釈迦様を、周囲の小さな石はその説法を聞く羅漢様を表している。江戸時代の名庭師・小堀遠州が築いた庭園は、1936年に国指定名勝に登録された。

 また、こんな魅力も。うぐいす張りの廊下は歩くと、「キュッキュッ」とうぐいすの雛が鳴くような小気味よい音が。忍びを知らせる仕掛けで、日光東照宮の眠り猫を作った彫刻家・左甚五郎作と伝えられる。

※女性セブン2017年1月19日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

渡邊渚さんが性暴力問題について思いの丈を綴った(撮影/西條彰仁)
《渡邊渚さん独占手記》性暴力問題について思いの丈を綴る「被害者は永遠に救われることのない地獄を彷徨い続ける」
週刊ポスト
中居の女性トラブルで窮地に追いやられているフジテレビ(右・時事通信フォト)
《会社の暗部が暴露される…》フジテレビが恐れる処分された編成幹部B氏の“暴走” 「法廷での言葉」にも懸念
NEWSポストセブン
週刊ポストの名物企画でもあった「ONK座談会」2003年開催時のスリーショット(撮影/山崎力夫)
《追悼・長嶋茂雄さん》週刊ポストが1年前に託された最後のメッセージ「私の人生は野球に始まり、これからも常に野球とともにあります」
週刊ポスト
母・佳代さんと小室圭さん
《眞子さん出産》“一卵性母子”と呼ばれた小室圭さんの母・佳代さんが「初孫を抱く日」 知人は「ふたりは一定の距離を保って接している」
NEWSポストセブン
長嶋茂雄さんとの初対戦の思い出なども振り返る
江夏豊氏が語る長嶋茂雄さんへの思い 1975年オフに持ち上がった巨人へのトレード話に「“たられば”はないが、ミスターと同じチームで野球をやってみたかった」
週刊ポスト
元タクシー運転手の田中敏志容疑者が性的暴行などで逮捕された(右の写真はイメージです)
《泥酔女性客に睡眠薬飲ませ性的暴行か》警視庁逮捕の元タクシー運転手のドラレコに残っていた“明らかに不審な映像”、手口は「『気分が悪そうだね』と水と錠剤を飲ませた」
NEWSポストセブン
金田氏と長嶋氏
《追悼・長嶋茂雄さん》400勝投手・カネやんが明かしていた秘話「一緒に雀卓を囲んだが、あいつはルールを知らなかったんじゃないか…」「初対決は4連続三振じゃなくて5連続三振」
NEWSポストセブン
違法薬物を所持したとして不動産投資会社「レーサム」の創業者で元会長の田中剛容疑者と職業不詳・奥本美穂容疑者(32)が逮捕された(左・Instagramより)
《レーサム創業者が“薬物付け性パーティー”で逮捕》沈黙を破った奥本美穂容疑者が〈今世終了港区BBA〉〈留置所最高〉自虐ネタでインフルエンサー化
NEWSポストセブン
「秀才」に突然訪れた“異変”の原因とは(イメージ)
中受で超難関中高一貫校に入学した「秀才」に突然訪れた“異変”の原因とは「腹痛と下痢を繰り返し、成績は最下位クラス…」《エリートたちの発達障害》
NEWSポストセブン
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
《女子バレー解説席に“ロンドン五輪メダル組”の台頭》日の丸を背負った元エース・大林素子に押し寄せる世代交代の波、6年前から「二拠点生活」の現在
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《大谷翔平が帰宅直後にSNS投稿》真美子さんが「ゆったりニットの部屋着」に込めた“こだわり”と、義母のサポートを受ける“三世代子育て”の居心地
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
「週刊ポスト」本日発売! ミスター長嶋茂雄は永久に!ほか
NEWSポストセブン