二刀流で躍動した大谷翔平が日本ハムを日本一へと導き、セリーグでは広島が25年ぶりのリーグ優勝に沸いた2016年のプロ野球。2017年のペナントレースはどうなるのか、どこよりも早く順位予測! 日本人初のメジャーリーガー「マッシー・ムラカミ」こと村上雅則氏が注目するのは、古巣であり、MLB挑戦間近の大谷のいる日本ハムだ。
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2016年シーズン、開幕から首位を独走していたソフトバンクとの11.5ゲーム差をひっくり返した日本ハム。勢いそのままに、2017年も期待できると思う。
外野の要でセンターを守る陽岱鋼(29)がFAで抜けたが、その穴を埋める選手に事欠かない。走攻守と三拍子揃った岡大海(25)を筆頭に、谷口雄也(24)、浅間大基(20)ら生きのいい若手が揃っている。巨人からトレード移籍した大田泰示(26)の存在も面白い。外野ポジションのレギュラー争いが、チームに活気をもたらすのは間違いない。
そして何よりも、ついに“本物の二刀流”になった感のある大谷翔平だ。米大リーグで、25歳未満の海外選手との契約金額に制限が設けられ、2017年オフにメジャー移籍するかは不透明になったが、球団は移籍容認を明確にしたのでモチベーションは高い。メジャー移籍の準備でローテーションを守ることを重視するのか、打撃にも重きを置くのかはわからないが、2016年の「投手で10勝、野手で22本」のラインは間違いなく超えてくる。
その日本ハムと優勝を争うのはやはりソフトバンクだろう。ただ、セットアッパー・森福允彦(30)が抜けたのは痛い。9回の頭からと決まっているクローザーよりも、得点圏にランナーを置いたピンチでマウンドに上がるセットアッパーのほうが実力が必要。森福離脱の影響で落とすゲームが増えてくるのではないか。2強状態でペナントレースが始まっても、早い時点で日本ハムが抜け出すだろう。