国内

カジノ法案 中高生にギャンブルの怖さと楽しさ教えるべき

カジノ法案通過にオバ記者が物申す

 女性セブンのアラカン名物記者“オバ記者”こと野原広子が、世の中の不条理にメスを入れる! 今回は、かつて麻雀にハマったオバ記者が、先立って国会を通過した「カジノ法案」について語る。

 * * *
 数年前から「カジノ解禁は時代の流れ」とは聞いていたけど、本当に国会、通っちゃったね。反対? とんでもない。ここだけの話、結婚した相手との最初のデートは、船橋競馬場だもの。

 30代初めに麻雀を覚えたときは、こわごわ大人のゲームに参加した私も、いつしか、温泉旅館の親父さんや、プロに交じって「ポン」。

 あっという間に20年たっちゃった。あの頃は働いて得たお金はギャンブルの“種銭(たねせん)”にしか見えず、借金やら何やら、人には言えない恥と迷惑を重ね、やっと足を洗ったのは50才になってから。

 で、反省と後悔をしていることも確かだけど、「楽しかったなぁ」という思いも否定できないのよ。ある時、行きつけの麻雀荘で八千草薫のような雰囲気の奥様がつぶやいたの。

「私はこれまで人にウソなんかついたことがないのに、麻雀だけは別。どんなウソをついてもしたいんです」

 真夜中の2時に夫からの電話には、「うん、わかった。もうすぐ帰るから」。近所に買い物に行ってくると家を出たんだって。なのにその後、朝まで席を立たなかったっけ。

 またある時は、私がボロ勝ち。知らぬ同士がお金の取り合いをしているとは思えないほど、バカ話に花が咲いたの。「ロン! 麻雀って、本当に楽しいよね」と私が言うと、誰かが「ここを出るまではね」とボソリ。

 その言葉に、みんな押し黙ったのは、雀荘を出た後の自分をリアルに想像したからよ。労働と報酬とは別の次元でお金が動くギャンブル場は、この世の竜宮城。時間を忘れ、年齢も性別も忘れ、頭の中はタイやヒラメの舞い踊り。

 そこで一度でもちょっと使いでのあるあぶく銭を手に入れてごらんなさいな。働いて得ても、丁か半かを当てても1万円って、小さな経済革命をなし遂げたような気分よ。お金を稼ぐ大変さを知っている人ほど、あぶく銭の軽さがうれしいのよ。   だから言いたい。カジノを作るなら、国は寝た子を起こして、これから社会に出る中高生にギャンブルの本質を本気で教えてほしいと。

 ギャンブル依存症がどんなに悲惨かなんて、怖さばかり強調したってダメ。「なら、やる」と強く思う子が必ずいるもの。

 楽しいから人生を破壊させかねないほど怖い。怖いから楽しい。この両面を伝えないとカジノは、入り口をショッピングモールだの遊園地でカモフラージュした、たちの悪い場所になるだけだよ。

 ところでこの難しい教科書はどうする。担当は文科省? それとも厚労省かしら。いずれにせよ、ギャンブルで身を持ち崩す寸前、行くところまで行って、死の淵をのぞいた議員さんや公務員さんが社会貢献する絶好のチャンスなんだけどな。

※女性セブン2017年1月19日号

関連記事

トピックス

石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
NHKの牛田茉友アナウンサー(HPより)
千葉選挙区に続き…NHKから女性記者・アナ流出で上層部困惑 『日曜討論』牛田茉友アナが国民民主から参院選出馬の情報、“首都決戦”の隠し玉に
NEWSポストセブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト