コラム

2000万円の含み損に耐えた投資家 300万円の利益確定成功

株主優待もフル活用しサイトのサーバー代をまかなう

 いつからか投資の世界では、1億円以上を稼ぎ出した個人投資家のことを「億り人」と呼ぶようになったが、その下には“億り人”を目指す個人投資家たちがひしめき合っている。彼らは、いかにして資産を築き上げているのか? 三井僚さん(仮名。30代・投資歴15年・運用金額6700万円)が、自身の投資遍歴を振り返る。

 * * *
 就職活動のとき金融業界を志望し、勉強の一環として実際に投資してみようと思ったのが、株式投資を始めたきっかけでした。2000年代前半、カルロス・ゴーン社長主導による日産自動車の調達見直し、いわゆる「ゴーン・ショック」で鉄鋼業界が不況に陥り、株価が暴落していたNKK(現JFEホールディングス)を購入。バイトで稼いだ50万円を投資したところ、株価が反発して2倍になって株式投資の魅力にハマりました。

 基本的に逆張り狙いで、割安感の強い銘柄や、業績面での裏づけのある銘柄に投資するスタイルです。仕事柄、さまざまな業界動向もチェックしているおかげで、仕事で身につけた知識や分析は投資の役に立っていると思います。株式投資では、「自分が働いている業界」や「詳しい業界」に特化するのもいいですが、各企業が他の業界や経済と密接に繋がっているので、広く見渡すことも大事だと思っています。

 長年市場を見ていると、企業ごとに業績予想の出し方のクセもわかってくるし、季節的な要因などで同じような動きをする株も見えてきます。例えば、商社株はボックス相場を形成することが多いので、「ボックス圏の下限で買い、上限で売る」という効率のいい売買を何度もしています。

 現在の資産は6700万円程度。大きく殖やすことができた要因は、業績不振で叩き売られた銘柄を一発逆転狙いで投資してきたことでしょうか。2014年頃にはDeNAを3800万円ほど買ったのですが、大株主が保有株を売ったことで株価が半減する憂き目にも遭いました。含み損が2000万円を超えた局面もありましたが、その後、任天堂との提携などの好材料が出て切り返し、なんとか300万円くらいの利益確定ができました。

 株式投資以外では「まとめサイト」を複数作っていて、アフィリエイト(成果報酬型広告)で月数万円くらいの収入になっています。月1500円ほどでサーバーを借りているのですが、GMOクラウドとGMOインターネットの株主優待で年2万円の割引を受けられるんです。おかげで、サーバー代は実質タダで済んでいます。

 ほかに、優待券目当てでワタミなどの飲食店株も持っているので、食費を節約したり、長期保有株を証券会社に貸し出す「貸株サービス」で金利をもらったり、できることはフル活用しています。自分で選別した銘柄への一極集中投資と効率性で、早い時期での“億り人”入りを狙っています。

マネーポスト2017年新春号

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内にある広末涼子容疑者の自宅に、静岡県警の家宅捜査が入った
《ガサ入れでミカン箱大の押収品》広末涼子の同乗マネが重傷で捜索令状は「危険運転致傷」容疑…「懲役12年以下」の重い罰則も 広末は事故前に“多くの処方薬を服用”と発信
NEWSポストセブン
『Mr.サンデー』(フジテレビ系)で発言した内容が炎上している元フジテレビアナウンサーでジャーナリストの長野智子氏(事務所HPより)
《「嫌だったら行かない」で炎上》元フジテレビ長野智子氏、一部からは擁護の声も バラエティアナとして活躍後は報道キャスターに転身「女・久米宏」「現場主義で熱心な取材ぶり」との評価
NEWSポストセブン
小笠原諸島の硫黄島をご訪問された天皇皇后両陛下(2025年4月。写真/JMPA)
《31年前との“リンク”》皇后雅子さまが硫黄島をご訪問 お召しの「ネイビー×白」のバイカラーセットアップは美智子さまとよく似た装い 
NEWSポストセブン
元SMAPの中居正広氏(52)に続いて、「とんねるず」石橋貴明(63)もテレビから消えてしまうのか──
《石橋貴明に“下半身露出”報道》中居正広トラブルに顔を隠して「いやあ…ダメダメ…」フジ第三者委が「重大な類似事案」と位置付けた理由
NEWSポストセブン
異例のツーショット写真が話題の大谷翔平(写真/Getty Images)
大谷翔平、“異例のツーショット写真”が話題 投稿したのは山火事で自宅が全焼したサッカー界注目の14才少女、女性アスリートとして真美子夫人と重なる姿
女性セブン
中日ドラゴンズのレジェンド・宇野勝氏(右)と富坂聰氏
【特別対談】「もしも“ウーやん”が中日ドラゴンズの監督だったら…」ドラファンならば一度は頭をかすめる考えを、本人・宇野勝にぶつけてみた
NEWSポストセブン
フジテレビの第三者委員会からヒアリングの打診があった石橋貴明
《中居氏とも密接関係》「“下半身露出”は石橋貴明」報道でフジ以外にも広がる波紋 正月のテレ朝『スポーツ王』放送は早くもピンチか
NEWSポストセブン
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された(写真は2019年)
《体調不良で「薬コンプリート!」投稿》広末涼子の不審な動きに「服用中のクスリが影響した可能性は…」専門家が解説
NEWSポストセブン
現役時代とは大違いの状況に(左から元鶴竜、元白鵬/時事通信フォト)
元鶴竜、“先達の親方衆の扱いが丁寧”と協会内の評価が急上昇、一方の元白鵬は部屋閉鎖…モンゴル出身横綱、引退後の逆転劇
週刊ポスト
女優の広末涼子容疑者が傷害容疑で現行犯逮捕された
〈不倫騒動後の復帰主演映画の撮影中だった〉広末涼子が事故直前に撮影現場で浴びせていた「罵声」 関係者が証言
NEWSポストセブン
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”川崎春花がついに「5週連続欠場」ツアーの広報担当「ブライトナー業務」の去就にも注目集まる「就任インタビュー撮影には不参加」
NEWSポストセブン
広末涼子容疑者(時事通信フォト)と事故現場
広末涼子、「勾留が長引く」可能性 取り調べ中に興奮状態で「自傷ほのめかす発言があった」との情報も 捜査関係者は「釈放でリスクも」と懸念
NEWSポストセブン