二刀流の大谷翔平(22)の活躍もあり、日本ハムの日本一で幕を閉じた昨シーズンのプロ野球。打倒日本ハムに燃えるパ・リーグ各球団の中で、特に目立った補強に走ったのは昨季5位に沈んだ東北楽天ゴールデンイーグルス。西武からFAで岸孝之(32)を獲得し、星野仙一球団副会長が「岸の加入だけで十二分に優勝争いができる」とブチ上げた。
「加えてソフトバンクを自由契約となった細川亨捕手(37)も獲得できた。細川は西武時代、岸とバッテリーを組んだキャリアがあり、あのノムさん(野村克也氏)も評価する円熟のリードで安楽智大(20)や小野郁(20)ら若い投手も成長するはずだ」(球団関係者)
その岸が抜けた西武では1980年代の黄金期を支えた辻発彦監督が就任。“今年に懸ける選手”が多いとみられている。
「今年、中村剛也(33)は4年契約、炭谷銀仁朗(29)は2年契約の最終年。牧田和久(32)は国内FA権を取得します。自分の値段を上げるために活躍する気満々ですよ」(ライオンズ番記者)
ファンとしては心強い半面、12年に中島裕之(34、アスレチックス↑オリックス)、13年には涌井秀章(30、ロッテ)ら6年間に9人がFAで流出しているだけに、Aクラス復帰がさらなる主力流出と引き替えなるのかが気懸かりかもしれない。
西武を出た中島を米国から呼び戻すなど2015年に敢行した大補強の“負債”に苦しめられてきたオリックスは、「中島が契約最終年になってお尻に火がつくのに加え、アジアウインターリーグで打撃5冠となった吉田正尚(23)ら成長株が出てきて今季は救いがある」(担当記者)というから、久しぶりのAクラス入りが関係者の間では期待される。
※週刊ポスト2017年1月13・20日号