シングルファザーの家庭数は1988年の約17万3000世帯から、2011年には約22万3000世帯に増加した。ところが社会的な理解度は低く、制度の整備も進んでいない。子育てのために仕事をセーブするケースも目立つ──。
読売テレビの清水健アナウンサー(40才)が、2017年1月末日での退社を発表。メーンキャスターを務める『かんさい情報ネットten.』でこう話した。
「(妻の)三回忌を前に、がんの撲滅や入院施設の充実に取り組む事業を支援する活動に専念させていただくことになりました。(中略)今を逃したらあかんと思う。もう後悔だけはしたくない、その一点でこの決断に至りました」
中央大学を卒業後、2001年に同局に入社した清水アナ。関西圏では宮根誠司(53才)に肩を並べるほど絶大な支持を集めている。
2013年5月にスタイリストを担当していた奈緒さんと結婚し、1年後に新しい命が宿った。だがその直後、奈緒さんに乳がんが見つかった。
「子供は諦めましょう」
医師の助言に対してふたりが出した結論は、「子供も治療も諦めない」だった。乳がんの手術は成功し、2014年秋に元気な男の子が生まれると、奈緒さんは治療に専念。だが、がんは肝臓、骨などへ転移し、翌2015年2月11日、奈緒さんは29年の生涯を終えた。長男誕生から、わずか112日後だった。
「清水さんは奥さんが亡くなった8日後に番組に復帰しましたが、憔悴ぶりは痛ましいほどでした」(番組関係者)
アナウンサーとしての強い矜持と責任感から、カメラの前に立ち続けると同時に、「妻をがんで亡くした人間にできること」を問いはじめる。
妻の死から約1年後の2016年2月、夫婦・家族で歩んだ日々を『112日間のママ』という1冊の本に綴った。その売り上げを使って新薬開発や難病対策などに取り組む団体や個人を支援する『清水健基金』を設立し、講演活動をスタートさせた。平日はレギュラー番組に出演。週末は関西だけでなく東京や九州まで赴いて講演。さらに2才の男の子のパパという“3足のわらじ”。責任感は、清水アナ自身の身体に大きな負担を強いた。