料理では、塩よりも先に砂糖を入れるのがセオリーとなっているが、これには科学的根拠がある。塩の方が砂糖よりも分子が小さく、塩を先に入れると材料にすぐにしみ込んで組織を引き締め、あとから入れた砂糖がしみ込まなくなるのだ。
味つけ以外で砂糖が料理にもたらす主な効果について、三井製糖の山崎賞子さんに聞いた。
・肉をやわらかくする
・食品の腐敗を防ぐ
・でんぷん食品をしっとりさせる
「砂糖で腐敗を防いでいる代表食品が、ジャムやようかん。砂糖が食品の水分を抱え込むため、微生物の繁殖が抑えられるのです。また、でんぷんの老化を防止する効果があるので、すし飯に酢と一緒に砂糖を混ぜると、ご飯がしっとりします」(山崎さん、以下「」内同)
◆白砂糖は体に悪くない
「白砂糖は体を冷やす」などという人もいるが、冷えと砂糖の関係は実証されていない。体に悪そうと思われる由縁は、ミネラルが少ないため。黒砂糖ですらミネラル含有量は微量。砂糖は栄養源にはならないが、消化吸収が早いので脳のエネルギー源になり、疲労回復に即効性がある。
◆砂糖に賞味期限はない
砂糖は長期保存しても変質しないので、賞味期限はない。ちなみに塩も同様。もし、砂糖がカチカチに固まったら、チャック付きの袋か容器に食パンとともに一晩入れておく。そうすると、食パンの水分が砂糖に移り、サラサラにほぐれる。固まった砂糖が崩しにくい時は試してみて。
◆砂糖は白くない
砂糖の結晶は無色透明。雪と同様、光の乱反射によって白く見え、漂白しているわけではない。
◆上白糖は日本にしかない
砂糖には、上白糖やグラニュー糖、茶色い三温糖など、いろいろな種類がある。日本では上白糖が主流で、砂糖の売り上げの約3割を占めている。
「砂糖といえば『上白糖』のイメージがありますが、実はこれ、日本独自の砂糖でほかの国にはありません。世界の主流はグラニュー糖です」
そももそも、砂糖の主な原料はさとうきびとてん菜(別名サトウダイコン、ビート)で、ここからショ糖を取り出し、結晶にする。この結晶の大きさで砂糖の名前が変わってくるのだ。
「砂糖は、純度(精製度)が高いほど甘みがあってあっさりしていて、反対に純度の低い砂糖の方がコクが感じられます」
ほかにも、さとうきびから作る黒砂糖やさとうきび糖、和三盆、てん菜から作るてんさい糖など、原料の風味を生かした砂糖もあるが、いずれも栄養成分では大きな違いはない。
※女性セブン2017年1月26日号