「経済の千里眼」の異名をとり、経営者や大口投資家から絶大な支持を受けるのが、国際金融コンサルタントの菅下清廣氏だ。新刊『世界マネーが狙う「大化け日本株」』が話題の菅下氏が、「相場波動」を読み解きこれからの日本株が目指す水準について解説する。
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2017年以降、日本株はどこまで上がるのか。私は株価予測で“相場波動”を重視する。改めてリーマン・ショック後の日経平均株価のチャートを見ると、教科書のようなシンプルな波形を示している。
2009年から2012年は底ばいの3年、そこから「大回り3年」といわれる3年波動が動き始めて2015年に天井、その後は調整に入り、2016年の年央から秋にかけて、「下値切り上げ型の三角もち合い」のチャートが出現して相場転換のサインが出ている。
ここで2015年からの値下がり幅に注目すべきだ。アベノミクス相場は最初の3年で約1万2000円値上がりした。天井はおよそ2万1000円。そこから1万5000円まで値下がりしてボックス相場に入るので、値下がり幅は約6000円。勘のいい投資家は気づくと思うが、これは値上がりした幅の半分を戻して下げ止まる典型的な「半値押し」になっている。半値押しで反発し始めたということは、上昇サインと判断できる。
このパターンで意識すべきは「倍返しの法則」だ。下がった分の2倍値上がりするという相場の“癖”があり、これから倍返しすれば、半値押しの調整を挟んで同じ1万2000円の値幅を上げるという美しいチャートを描く。底値の約1万5000円から1万2000円分値上がりすると考えると、目標株価は2万7000円になる。
もちろんこれは楽観シナリオで、日銀は量的緩和の拡大をギブアップしているから、日経平均はしばらく1万6000~1万9000円近辺でもみ合うだろう。しかし、アメリカでトランプ大統領のもとでインフレが進めば、株価も連れ高する可能性が高い。
ダウ平均が2万ドルをうかがう展開になれば、日本も2万7000円に向けて上昇ムードが高まると予測する。もちろん中立シナリオ、悲観シナリオも意識しておく必要はあるが、私は現時点では楽観シナリオの確率が高いと考える。