和食に使い基本的な5つの調味料といえば「さしすせそ」。その中の「す」は、その名の通り「酢」だが、味を調えたり、素材の色をきれいに見せる効果があるという。
「酢は、料理に酸味を加えるだけでなく、塩味、甘みと相性がよく、料理の味を調える効果があります」とは、ミツカンの佐伯亜友美さん(「」内以下同)。他にも、こんな効果が。
【アクの強い野菜を白く仕上げる】
ごぼうやれんこんは酢を加えてゆでると白く仕上がり、食感もシャキシャキに。
【素材の色を鮮やかに】
しょうがやみょうがを甘酢に漬けると、きれいなピンク色に。ラディッシュや紫キャベツ、紫玉ねぎもドレッシングであえると鮮やかになる。
【里いものぬめりを取る】
皮をむいた里いもは、酢を加えて下ゆでするとぬめりが取れ、煮込んでも吹きこぼれにくくなる。酢は酸っぱいだけじゃないのだ。
さらに、知って得する酢に関する豆知識を紹介しよう。
◆酢は冷蔵保存が正解
酢は涼しいところで保存した方が、風味が保たれるので、冷蔵庫保存がおすすめ。ごくまれに、空気中に存在する酢酸菌が容器内に入り、酢の中に白い浮遊物を発生させる場合が。保存時はキャップをしっかり閉めておいて。
◆アルミの鍋は傷みやすい
アルミの鍋は、腐食しないよう表面に酸化防止用の皮膜が塗られている。この皮膜は酸に弱いので、酢をたくさん使った料理を作ると、表面の皮膜が溶けて傷みやすくなる。ピクルス液の加熱などは、ステンレスやホウロウ製の鍋がおすすめ。
◆骨つき肉や貝料理に入れるとカルシウム摂取量が約2倍に
酢には骨や貝の中のカルシウムを溶かし出す力がある。例えば、鶏手羽元に酢を入れて煮ると、骨の中のカルシウムが肉や煮汁に溶け出し、酢を入れなかった時より、カルシウム量は約1.8倍に。さらに、軟骨の骨離れもよくなるので、お肌にいいコラーゲン量もアップする。
また、殻つきのあさりのスープを作る時に、スープ2カップあたり酢小さじ2を入れて煮込むと、酢を入れない時よりカルシウム量が約2.3倍に。しかも、カルシウム量が増えるだけでなく、効率よく体内に吸収されるようになる。骨つき肉や貝料理には、なるべく酢を入れたレシピを活用しよう!
◆大さじ1杯の酢でメタボ解消!
「酢を毎日継続的に摂ると、肥満気味のかたの内臓脂肪を減少させられると、科学的に証明されました」
それも大さじ1杯(約15ml)の酢を毎日摂るだけだという。その他にも、血圧、血中総コレステロール、血中中性脂肪を下げたり、食後の血糖値の上昇を緩やかにする働きも証明されている。これも食事といっしょに大さじ1杯のお酢を摂るだけでいい。しかも酢は、熱を加えても健康効果は変わらない。いつもの食事に酢の物を1品加える習慣をつければ、食べて健康にやせられる体に。
※女性セブン2017年1月26日号