実質賃金上昇も頭打ちで、年金受給額も増えないなか、家計を守るためにはどうすればよいか。経済アナリスト・森永卓郎氏が固定費の中でもその多くを占める、住居費の節約術について解説する。
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毎月の固定費で一番大きいのは住居費ですが、通勤時間が長くなることを問わなければ、格段に安くすることは可能です。
今は住まいの都心回帰が急速に進んでいるため、都心への通勤に1時間半以上かかる郊外の物件が暴落状態となっています。
例えば、4人家族で住むとしたら手狭な40平米ぐらいのマンションでも、都心物件なら4000万~5000万円します。だが、千葉、埼玉、三多摩などの郊外物件であれば、それより広いマンションが300万円といった格安価格で売りに出ているケースもあります。それを預貯金で購入すれば、毎月の住宅ローンや家賃の支払いから解放されて、気持ちは天国でしょう。
しかも、都心への通勤が1時間半もかかる郊外は、都心に比べて生鮮食品などの物価が断然安いので、食費もかなり節約できます。例えば、最近の野菜の高騰時に、都心にある私の事務所近くのスーパーではレタス1個が450円もしていました。ところが、自宅のある埼玉県所沢市のスーパーでは158円と、何と都心の3分の1。それほど物価が違うのです。
食費でいえば、たとえ都心に住んでいる人でも、食材が安く売られている時を狙ってまとめ買いし、自炊を徹底すれば、かなり絞ることができるはずです。