「芸能スキャンダルに携わる仕事を始めて25年。2016年ほど忙しい年はありませんでした」と語るのは18年連続女性週刊誌No.1を守り続ける『女性セブン』の川島雅史・編集長だ。SMAP解散、ゲス不倫をはじめとする数々の不貞、など、この1年は芸能ニュースが世間を騒がせ続けた。日頃あまり女性誌やワイドショーを見る機会のない週刊ポスト読者のために「女性セブン・週刊ポスト出張所」を開設した。
2016年は病魔に冒される芸能人も多かった。『女性セブン』(6月9・16日号)は渡瀬恒彦(72)の胆嚢がん闘病をスクープした。
義理人情にあふれる渡瀬がロングランの刑事ドラマ『警視庁捜査一課9係』(テレビ朝日系)の共演者に病気を一切知らせず、弱音を吐かず毎回の収録に臨む姿をリアルに伝えた。
報道後、渡瀬は胆嚢がんを公表し、8月には2時間ドラマ『十津川警部シリーズ』(TBS系)の降板が発表された。不屈の魂を持つ渡瀬の回復を祈りたい。
2016年、多くの人の心に強く刻まれたのが小林麻央(34)の乳がん闘病だ。6月に夫の市川海老蔵(39)が緊急会見し、麻央が乳がんのため2014年10月から闘病していたことを明らかにした。
麻央は9月1日、「子供たちにとって強い母でありたい」と公式ブログを開設し、後にがんが肺や骨に転移していると告白した。がんに負けず、自らの病状を公にして闘う姿が多くの人の心を打ち、英国の公共放送BBCで「今年の100人の女性」に日本人として初めて選ばれた。芸能リポーターの井上公造氏が語る。
「病気に向き合う麻央さんの姿勢は素直にすごいと思います。海老蔵さんは地方公演中もできるだけ東京に戻って妻や子供たちと過ごしている。精神的につらいでしょうが、すごく頑張っています」
麻央の一挙手一投足は女性読者の反響が大きく、『女性セブン』でも何度もがん特集を組んだ。川島編集長が語る。
「これまでは乳がんを隠す女性が多かったが、麻央さんの闘病をきっかけにして、世の女性が乳がんについて語り始めました。同じ悩みを語り合うことで精神的な安らぎを得られるし、希望も生まれます。麻央さんの告白は、同じ病気に苦しむ多くの女性に勇気を与えました」
※週刊ポスト増刊2017新春スペシャル