1月8日からスタートしたNHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で主役を演じる柴咲コウ(35才)。
「すばらしい機会を与えていただき、ありがたいです。ご年配のかたにも認知されるいい機会なので、自分を売り込んでいこうと思っています」
と冗談まじりに笑う。撮影は昨年9月に開始。共演の三浦春馬、高橋一生とのトライアングルはチームワークもばっちりだという。
「春馬くんは笑顔が似合う好青年。あの笑顔を一度見ると何年か生きていけそうなくらい(笑い)。役柄上は、許嫁だったのが離ればなれになり、10年の歳月を経て再会する間柄。おとわ(井伊直虎)は、あの笑顔にもう一度会いたいという思いで10年を過ごしたんじゃないか。そんなふうに思いました」
10年の歳月を経ての再会というのもドラマチックだが、それだけではないこの直虎。出家し、男の名前のお坊さんになったあと、今度は女城主に転じて民を守っていくという波瀾万丈な一生を送る。柴咲は今回の出演者の中に彼女が思う良い“旦那像”を持つ人がいると話す。
「杉本哲太さん演じる井伊直盛ですね。天下取りを目指すたくましさの人ではないけれど、優しくて周りの人の居心地を考えている。娘がかわいくて、家族が大事で、現代でいうと“イクメン”。直虎の父なんですけどね(笑い)」
今、この役に出会った柴咲は自分になぞらえて直虎をこう分析する。
「女性は意志を持っている。当時はそれを貫き通して、外に発信していく時代ではなかったけれども、じゃあ意志はなかったのかといったら、直虎が生きた時代の女性にもあったと思います。秘めつつも、時代というものに、運命というものに、従って生きていかねばならない。母や妻となって生きる人が多い中で、城主として生きる直虎にものすごい覚悟を感じました」
そう語る眼光は美しく、鋭い。
「国を背負って切り開いていかねばならないから、城主として、物事や人に対峙するシーンでは、自然と目力を使ったお芝居をする場面が増えていくかもしれない。目は口ほどに物を言うといいますしね」
小さな谷を守る女城主が戦国の荒波に立ち向かう異色の大河。柴咲なら大丈夫、そんな気がした。
撮影■三宅祐介
※女性セブン2017年1月26日号