地震保険の世帯加入率は全国平均で29.5%(2015年)となっている。東日本大震災発生後、加入者は大幅に増加した。
地震保険は国と保険会社が共同で運営し、地震や津波などの被害に遭った住宅や家財の損壊、埋没、流失による損害などを補償するものだ。加入の際は、必ず火災保険とセットで契約する必要がある。
「補償対象は居住用の住宅と生活に必要な家財で、保険金額の上限はセットで入る火災保険の30~50%。限度額は建物5000万円、家財1000万円です」(ファイナンシャルプランナーの平野敦之氏)
その地震保険が今年1月の契約から大幅に改定された。最大の変更点は保険料の「値上げ」だ。全国平均で5.1%引き上げられ、さらにこの先、平均19%まで段階的に値上げされる見込みだ。
損害区分の認定基準も変わり、保険金が全額支払われる「全損」、50%支払われる「半損」、5%支払われる「一部損」の3区分から、半損が「大半損(60%支払い)」と「小半損(30%支払い)」に細分化され、全4区分になった。
今回の改定について、ファイナンシャルプランナーの清水香氏が解説する。
「保険料が上がるのは地震のリスクが高まったからです。一方で区分の細分化により、これまで50%支払われていた『半損』が『小半損』と認定されて30%に減額されることもあります」
※週刊ポスト2017年1月27日号