第4回となるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が3月7日、東京ドームで開幕する(1次ラウンド・東京プール、対キューバ戦)。
小久保ジャパンは昨年12月20日に1次メンバー18人を発表、翌日には現役メジャーリーガー・青木宣親(35、アストロズ)の参戦も発表された。
2013年に開催された前回大会で日本代表は3連覇を逃し、「世界一奪還」が今回の至上命題だ。最終メンバー28人の登録期限は2月6日で、残り9選手の発表は1月末とされている。
注目を集めているのが現役最年長メジャーリーガー、イチロー(43、マーリンズ)の電撃参戦の有無だ。4年前は所属していたヤンキースがWBC出場に難色を示したために実現しなかったが、今回は事情が大きく異なる。
マーリンズのマイケル・ヒル球団編成部長は、昨年11月に行なわれたMLBのGM会議で、「イチローが出場を望むなら球団として全力でバックアップする」と明言。
「昨季のイチローはマーリンズの“4人目の外野手”として143試合に出場しました。MLB史上30人目となる3000本安打を達成するなどの話題があったが、今季は節目になりそうな記録も見当たらない。観客動員が伸び悩むマーリンズは、将来的に東京での開幕戦開催を画策するなど、日本市場の開拓に熱心な球団で、イチローには日本のファンから注目される存在であり続けてもらいたいと考えている。そのためには、是が非でもWBCに出てもらいたいと考えているわけです」(MLB研究家・福島良一氏)
前回大会で侍ジャパンが準決勝敗退に終わった原因として「現役メジャーリーガーの不参加」を挙げる声は少なくなかった。小久保監督も今回のメンバー選考に関して、「国際経験のある選手が必要。米国でプレーしている選手がカギになる」と語っている。
しかし、上原浩治(41、カブス)は代表辞退を表明。ダルビッシュ有(30、レンジャーズ)、前田健太(28、ドジャース)も所属球団が参加させない方針を決めているなか、第2回大会決勝戦で伝説的な決勝タイムリーを放ったイチローが2大会ぶりに電撃参戦するなら、チームにとって何より心強いはず……と思いきや、現場の考えはだいぶ違っているようだ。
「イチローの参加は小久保ジャパンのアキレス腱になりかねない」(スポーツ紙ベテランデスク)
関係者の間では、そうした危惧が広がっているのだ。何よりもまず、「選ばれても出場機会がない」という問題が出てくる。