犬や猫に次いでペットとしての飼育数が多い(ほ乳類に限る)のが、うさぎ。「においも少なく、比較的小スペースで飼える」と人気上昇中だが、なかなか懐かないというケースもあるという。神奈川県の男性から、こんなお悩みが届いた。
「わが家のうさぎは抱っこをしようとすると暴れて逃げ回ります。犬や猫よりおとなしいのかと思ったのに、意外と凶暴。上手に抱っこする方法を教えてください」(神奈川県・あっくん、28才・公務員)
このお悩みに対して、うさぎやフェレット、鳥や爬虫類などの診療を専門とする「みわエキゾチック動物病院」の院長である三輪恭嗣さんが、解決策を教えてくれた。
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おとなしいイメージのうさぎですが、意外と気が強い一面も。また、警戒心も強いので、他の動物よりも緊張しやすいといわれています。
見知らぬ場所に来たうさぎは、緊張しています。家に迎え入れてから数日間は、抱いたり触ったりせず、まずは環境に慣れてもらいます。無理に触ろうとすると“ブーブー”と鳴いて怒ったり、怖がって逃げ回ります。
2~3日様子を見て、環境にも慣れ、ご飯もちゃんと食べているのを確認したら次のステップです。ケージから出してブラッシングがてら、体全体を軽くなでてあげましょう。うさぎの皮膚はとても弱いので、ブラシなどは使わず、手ぐしでやさしくなでる程度で充分です。体に触られるのにも慣れてきたら、次はひざの上にのせてご飯をあげましょう。
ひざの上におとなしく乗ったら、お気に入りのおやつをあげるなど、“抱っこしたらいいことがある”といった、プラスのイメージをつけて徐々に慣らしていきましょう。
そしていよいよ抱っこの練習です。抱く前に軽くなで、うさぎの胸の下に手を入れ、お尻を包み込むようにやさしく抱きかかえます。この時、体を飼い主と密着させてあげると安心しておとなしくなります。足がぶらぶらしていたり、耳を持ってぶら下げて持つような抱っこは絶対にだめです。
◆抱っこに慣れていると診察時も安心!
抱っこは飼い主とのスキンシップの他に、獣医師の側からみても大きなメリットがあります。なぜなら、病院での診療時、抱っこに慣れているうさぎの方が、治療がしやすいからです。抱っこに慣れていないうさぎは、“キー”と大声で叫び、暴れてショック状態になってしまう子もいます。
実は診察中に骨が折れるケースがいちばん多い動物がうさぎなんです。骨の重さが、猫は体重の約8分の1に対し、うさぎは約13分の1と、かなり軽いからです。
嫌がるうさぎを無理に抱っこしているだけで骨が折れることも。うさぎの安全のためにも、正しい抱っこができるようになると安心です。
※女性セブン2017年1月26日号