日々の家事の中で、なんとなく使っていることも多い洗剤だが、意外と知らないことも多いはず。そこで、『きれい研究所』社長で家事代行サービス「タスカジ」などで汚れ落としの勉強会も実施している、汚れ落としコンサルタントにして洗剤エキスパートの茂木和哉さんに、洗剤に対するいろいろな疑問に答えてもらった。
◆洗剤に消費期限はあるの?
ある。
「カビとり剤や塩素系漂白剤の主成分『次亜塩素酸ナトリウム』は熱、光、雑菌などで分解され、塩素濃度が低くなっていきます。色つき容器に入っているのは、少しでも分解を遅くするため。購入後3か月くらいで効果は落ちます。他の洗剤も半年以内に使い切るつもりで」(茂木さん、以下「」内同)。
◆使わない洗剤の処分方法は?
原液のまま捨てないで。
「“混ぜるな危険”表記のものだけでなく、原液を排水口に大量に流すと、排水管などを傷めてしまう可能性があります。使い切るのが原則ですが、液体の場合、水を流しながら少しずつ洗剤を落とし、希釈しながら流して」。
◆洗剤不要で汚れを落とすメラミンスポンジやダイヤモンドパフ。洗剤と一緒に使っても大丈夫?
ダメ。
「メラミンスポンジは、無数に開いた網の目に汚れを取り込み、ダイヤモンドパフは、人工ダイヤモンドの研磨力で汚れを落とすもの。ただし洗剤をつけると摩擦力がなくなり、汚れが落ちにくくなるので注意を」。
◆洗剤を詰め替える場合の注意点は?
スプレーの噴射形式に注意すること。
「同じように見えても、ストレートに水が出るもの、霧状、泡タイプがあり、これを間違うと洗剤の効果が充分に発揮できません。1プッシュで出る量も異なるので、同じ商品の容器にするのが無難です」。
◆混ぜるな危険って、どう危険?
これは、塩素系洗剤と酸性洗剤に記されている表示。このふたつが混ざると有毒ガスが発生し、命の危険もある。
「塩素系洗剤と酸性の酢やアルコールが混ざっても危険です。カビとりや漂白(塩素系)と、水あかとり(酸性)を同時に使用すると、有毒ガスが発生してしまい危険なので時間差で行って。その場合、カビ取りや漂白の原液が残らないように“充分にすすいでから”なら、水あか取りを使用しても問題ありません。“泡がなくなるまで”、“においやぬるぬるがなくなるまで”が目安です。希釈されたものなら、排水口内で混ざったとしても危険はありません。不安な場合は、翌日にまわすと安心ですよ」
※女性セブン2017年1月26日号