コラム

40代投資家 「守り」を意識した売買で5000万円突破

外資系IT企業で働くランケンさん

 いつからか投資の世界では、1億円以上を稼ぎ出した個人投資家のことを「億り人」と呼ぶようになったが、その下には“億り人”を目指す個人投資家たちがひしめき合っている。彼らは、いかにして資産を築き上げているのか? ランケンさん(ハンドルネーム。40代・投資歴18年・運用金額5000万円超)が、自身の投資遍歴を振り返る。

 * * *
 1990年代後半に就職し、冬のボーナスを元手に株式投資を始めました。学生時代に海外の大学院に進学していたので、ITバブルの予兆を感じたり、ストックオプションを身近に見たりしてきました。そういうのも投資のきっかけになりましたね。
 
 2006年からFXを始めたのですが、レバレッジの存在を知った当初は「こんなのおかしい!」と思いました。当時、南アフリカランドの金利は年7~8%もあり、レバレッジを数倍かけると簡単に20%になる。

 1000万円投資したら、毎年200万円がもらえる計算です。「こんなことがあるのか?」「日本の金利は0.01%なのに、なぜほかの国はこんなに高いのか?」「南アフリカってどんな国なのか?」と疑問に思って、研究も兼ねてブログを書き始めました。儲けようという気持ちより、知的好奇心からでした。

 南アランド/円はボラティリティ(変動率)が大きいのですが、ほかの通貨ペアと組み合わせることでリスクを抑え、リターンを大きくさせることもできた。いろいろとシミュレーションしてみるのが面白かったですね。このころ、分散投資の本当の意味や、“守り”の大切さも知りました。

 最近大きく儲けたのは、2010 年のユーロ危機の時です。当時、財政危機が表面化していたスペインの株価指数は下がるだろうと思い、CFD(差金決済契約)でショート。同時に、経済が好調だったドイツの株価指数をCFDでロングしました。ユーロ危機が深刻化するほど利益が出て、このロング・ショート戦略で数百万円は儲かりました。

 基本的にチャンスがあれば、CFDで原油やトウモロコシ、コーヒーなども売買しますし、外国株も手がけます。株やFXと比べると、CFDや先物・オプション、外国株、債券をやっている個人投資家は少ないかもしれませんが、まずは自分で実際に投資をしてみて勉強してみることが大事だと思っています。

 2014年10月頃は、日経平均1万6000円を高値とするボックス相場だったので「これ以上は上がらないだろう」と思って日経225のコールオプションを売っていました。予想通り1万6000円を超えなければ利益が出たのですが、黒田バズーカ第2弾で日経平均も急騰。500万円のマイナスを食らったこともあります……。

 こういった経験から、“攻め”だけで勝ち続けることはできないと痛感しましたね。何かあったときに“守り”が強くないと、そこで退場してしまう。損切りもそうですし、分散投資もヘッジもそう。“守り”を意識した売買を心がけるようにしています。

マネーポスト2017年新春号

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