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『下剋上受験』原作者 親が勉強できないことの利点明かす

『下剋上受験』の原作者男性が苦闘体験を告白(公式HPより)

「親の年収が高いほど、子供の学力が高い」。歴とした文部科学省の調査結果である。小学校の全国学力検査と保護者へのアンケートを分析すると、顕著な傾向として表れるのだという。いまだ学歴ブランド信仰の根強い日本で、親は代々中卒、自分も中卒という1人の父親が、世の常識を覆す闘いに挑んだ。話題沸騰のドラマ『下剋上受験』のモデル男性が女性セブンに語った、1年半の涙と覚悟の記録。

「人生は途中からじゃ変えられねえってことだよ! 絶対無理なんだよ!」と阿部サダヲ(46才)が叫ぶ。妻の深田恭子(34才)はあっけにとられ、小5の長女はじっと父親を見つめている。

 両親は中卒、自分も妻も中卒、娘の偏差値は41。それでも、一念発起して娘と共に最難関私立中学を目指す──。

 1月13日スタートのテレビドラマ『下剋上受験』(TBS系)が話題を呼んでいる。想定外のストーリーもさることながら、学歴の壁に立ち向かう父娘の絆がしっかりと描かれているからだ。

「お前が安い給料の旦那と毎日けんかして、スーパーでどうやって節約しようかと悩んで買い物する姿が目に浮かぶんだよ。今のお母さんと一緒だよ。お母さんは“それでも幸せだ”って言ってくれるけど、おれはそんなの嫌だ!」
「元気が第一、乾布摩擦しときゃ風邪は引かねえ。その程度のことしか教えられない親じゃダメなんだ!」

 阿部の咆哮が視聴者の胸を掴み、初回平均視聴率は10.9%。この1年間の同枠ドラマ(金曜22時枠)で1位の好発進となった。

「娘と一緒に見ていたんですが、“セットがうちの家そっくりだ”って笑っていました。自分の人生がドラマになるなんて、今でも信じられません」

 そう語る男性は、『下剋上受験』の原作者、桜井信一さん(48才)。同ドラマは実話であり、2014年7月に桜井さんが出版した同名のノンフィクション(産経新聞出版)が基となっている。

 書籍の発売から2年あまり。世のフィーバーに驚きつつも、自身の半生とお受験戦争について思いの丈を語った。

「自分は高校を1年で中退しておりまして、ひと言で言えば中卒です。それはもう学歴で苦労しました。求人誌を見て申し込めるものは全部申し込みましたが、履歴書の時点で全て落とされる。工事現場とか不安定な職を渡り歩くほかなく、給料は雀の涙。昇進もなければ名誉もない。娘が自分のような人生を送ることになったらどうしようと、そんな不安ばかり抱えていました」

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