今、日本でもっとも注目を集め、最高に忙しい人といえば…この人、小池百合子・東京都知事(64才)。さっぱりしていて、きっぷがいい。少々のことじゃへこたれないし、くじけない。にっこり笑って、“頭の黒いネズミ”をぎゃふんと言わせる──女も男も、思わず惚れてしまう“男前”の人だ。
「それって、褒めてます?」
約束の時間ぴったり。テレビで見るのと同じ、背筋をぴんと伸ばし、凜とした顔で部屋に入ってきた都知事は、小さく首をかしげると、“ふふっ”とひとつ笑みをもらした。
──もちろん褒め言葉です。
「どうして小池さんはいつもそんなに元気なんですかってよく聞かれるんですけど(苦笑)。きっと、いつも目の前に明確な目標があるからなんだろうなと思います。大きな大志を小分けにして、それを1つ1つ達成していく。で、気がついたら42.195kmのマラソンを完走しているというのが私のスタイルなんです。大志ばっかり言っていたら、それだけで疲れちゃいますからね(笑い)」
自分のスタイル。それは、ベストドレッサー賞を2度も受賞したファッションにも表れている。
「テーラードジャケットにスカーフ、ひざ下丈のタイトスカートという組み合わせが多いですね。数ですか? みなさんが驚かれるほどたくさんはありませんよ。TPOに合わせて上下の組み合わせを替えるので、多く見えるんじゃないですかね」
新調する時は、色や生地の違うスーツを3着オーダー。上下を替えると、それだけで9パターンが出来上がる。
「セミオーダーと聞くと贅沢しているように思われるかもしれませんが、長持ちするから結果的にはそのほうがお得なんです」
ほら、これも(と着ていたジャケットの袖口に手を伸ばす)。
「20年選手ですね。この後、結婚式に出席するのでキンキラキンにしてみました(笑い)」
会議にフォーラム。結婚式に講演。パラリンピック競技認知度向上のためにEXILEとボッチャで対戦したかと思うとミス大島と伊豆大島椿まつりをPR…いったい、いつ寝ているんだろうと心配になるほどの忙しさだ。
「会議の前は徹夜なんてこともありますけど平気です。寝られるときに寝ていますから(笑い)。ストレスも俯瞰してみてみると意外に大したことがなかったりするので、自分で、ストレスはない! って言い切っちゃいますし(笑い)、食事もコンビニがあるから大丈夫です」
コンビニ…ですか?
「コンビニのお弁当が私の胃袋です。最近のお気に入りは、ビビンバ丼(笑い)。具も凝っているし、量もちょうどいい。ただ…」
ただ?
「サラダのドレッシングを別売りにするのは、ちょっとやめてほしいかな(笑い)」
撮影/渡辺達生
※女性セブン2017年2月2日号