1980年代、『男の勲章』が70万枚の大ヒットとなり、一躍スターダムにのし上がった俳優の嶋大輔(52才)。参議院選挙に出馬するため2013年4月、芸能界を引退。ところが、自民党の公認を得られず、すぐに出馬を撤回した。それから芸能界に復帰をしたのは2015年7月のことだった。復帰までの間、家に引きこもるなどつらい日々を送っていたという。嶋が”空白の2年間”のすべてを告白する――。
――芸能界引退から昨年復帰するまでの間、なにをしていたのですか?
嶋:自民党に内定をいただいていたのに、急に公認見送りでしたから、ショックで半年くらい何もできませんでした。こんな結果になって、信じてついてきてくれたファンの方にも申し訳ないという気持ちになりましたし、家に嫌がらせもありましたし…。
色々なことが一気に起こって、人を信じられなくなって、対人恐怖症のようになったんです。半年は家にこもって、誰とも会いたくない、しゃべりたくないという状況でした。その後、外に行けるようにはなりましたが、コソコソしていましたね。誰かに見られているんじゃないかと思って、マスクなしでは外出できませんでした。そのせいで、部屋のごみ箱はマスクの山でした(苦笑)。
それにその頃、ストレスで急激に太りました。政界に進むと決めてから芸能界引退会見をするまでに7kg太って、公認取り消しでまた7kg太って、それからまた少し増えて94kgだった体重が110kgまで増えたんです。
――復帰まで、ずっと無職だった?
嶋:芸能界を辞めたけれど、生活しなきゃいけないですよね。ぼくには妻と2人の娘がいますから。そんな時、友達や先輩方が、ソーラーパネルの営業をしようと声をかけてくれたんです。営業の仕事を始めてみて、改めて、サラリーマンで日本は支えられているなと実感しました。
――対人恐怖症なのに、たくさんの人と対面する営業回りで大丈夫だった?
嶋:子供の寝顔見ると、「この子たちを食べさせるのが俺の責任だ」という思いが強くなっていったんです。最初は無理をしてやっていました。営業先に行くと、ぼくを知っている人もいるんです。「もしかして嶋さん?」と話しかけてもらえるようになって、凍っていた心が溶けていきました。
――奥さんから「早く働いて」などと言われた?
嶋:妻は気を使ってくれて、何も言いませんでした。それが余計、つらく感じたりしてね。営業を始めるまでは、何の予定もないのに「仕事探して来る」と土手に行って、ボーッと時間を潰したこともありました。だからぼくが立ち直ったのは、妻が見守ってくれたり、友人が仕事に誘ってくれたり、周りの人の支えが大きかったです。
――自宅も売却したそうですね。