昨年、フィッシング対策協議会に寄せられたフィッシング詐欺の報告件数は1万件以上。代表的なところでは、ゆうちょ銀行、三井住友銀行、りそな銀行、Amazon、Apple IDなどをかたる偽メールが、不特定多数に配信された。
被害に遭っているのは、必ずしもネットに不慣れな人だけではないと、フィッシング対策協議会の山本健太郎さんは語る。
「実は仕事でパソコンをよく使う人やIT関連の人にも、被害者は少なくはありません。むしろ、“私は大丈夫”と過信している人ほど危ないのかもしれません。決して他人事とは思わず、しっかりとした対策をとりましょう」
では、具体的にどういう対策をとればいいのか、以下見ていこう。まず、同じパソコンを10年以上使用している場合は、ソフトウエアを見直すべきだ。
「ITの世界は日進月歩。Windows XPなど10年以上前のソフトウエアはセキュリティーが脆弱で、ウイルス感染しやすいことがわかっています」
たまにしか使わないからと、ソフトウエアやウイルスチェックを更新しないで、放置しておくと、ウイルスに感染していても気づかず、危険。
「感染するとパソコン内のデータを抜き取られてしまったり、ネットバンキングサービスを使って、口座番号やID、ログインパスワードなどを盗み取られてしまう危険性も大です」(山本さん、以下「」内同)
また、Windowsを使っているなら、ホームページを閲覧するときに使うインターネットブラウザは最新のものにすること。最新版はマイクロソフトのサイトからダウンロードできる。
送金に便利な銀行のオンラインサービス。わざわざ出かけなくても振り込みができるので、利用している人も多いが…。
「ネットバンキングサービスのある銀行であっても、“下記サイトからID、パスワードも変更してください”というメールには絶対に応じてはダメ。銀行は、メールでIDやパスワードの変更を求めることはないと断言しています。本物のメールのようでも、個人情報の変更を求めてきたら偽物と疑って」
これはクレジットカード会社でも同様だ。