変化に対応できる柔軟性を持つが、酷使すると即インク切れを起こす「消せるボールペン型」(2015年)。自律飛行で目的地までたどり着けるが、使用者(上司)の操縦ミスで機体損傷、紛失のリスクを抱える「ドローン型」(2016年)。これらは、日本生産性本部が毎年発表する「今年の新入社員像」だ。
気になる2017年度のタイプは後日の発表を待つとして、昨今の特徴は「恐ろしく打たれ弱いこと」。ゆとり世代のもろさに悩む“先輩たち”は一般企業だけでなく、芸能界にもいる。
「今は怒られ慣れていない若手が多いので、ここで頑張りたかったら、食らいつけ!って言いました」
昨年12月14日、映画『恋妻家宮本』(1月28日公開)の完成披露試写会でそう語った天海祐希(49才)。
同作は、『家政婦のミタ』(日本テレビ系)などの脚本で知られる遊川和彦氏の初監督作品である。遊川氏は役者への“鬼指導”が有名で、かつて脚本を務めたNHK朝ドラ『純と愛』では、遊川氏から「お前は技術ゼロだ」と怒鳴られ続けたヒロインの夏菜(27才)が泣きながらトイレにこもる“篭城事件”が発生したほど。
『恋妻家宮本』の撮影現場でも、遊川氏の怒号が響きわたっていたという。
「みんなに厳しい指導をしていましたが、とくに若手俳優の入江甚儀さん(23才)と早見あかりさん(21才)には細かい具体的な指導をしていました。最初は普通の口調だけど、ミスを繰り返すと徐々にスパルタになる。“そこは違うだろ! 何度言えばわかるんだ!”と厳しい言葉を浴びせることもありました」(撮影スタッフ)
作品に命をかけるがゆえの愛のムチだったが、若手世代にはうまく伝わらない場面もあったという。
「2人とも遊川さんに怒鳴られると呆然とした雰囲気で…。なぜ自分が怒られているのかがわからないといった様子でした」(前出・スタッフ)
見かねて立ち上がったのが天海だった。
「2人に対し、“監督はあなたが憎くて怒っているんじゃないの”と話しかけていました。“力があるのに出し切れてないことを指摘しているの。指導してもらえるのはありがたいことよ”って」(別のスタッフ)
監督が何を求めているのかを丁寧に説明した後、天海は若手2人にこう“喝”を入れたという。
「悔しいと思うならその怒りを表現して! 今のままじゃ何も進まないわよ」
天海の言葉に若手は奮起。心を入れ替えたかのように、以後は監督を恐れずに体当たりの演技をするようになったそうだ。
「早見さんは撮了後、遊川さんから“いい目になった”とほめられ、今度は嬉し涙を流していました。天海さんに感謝していましたね」(前出・別のスタッフ)
※女性セブン2017年2月2日号