1月17日午前11時少し前、たて続けに2台の車が皇居・半蔵門を通過し、中へと入っていった。それぞれの車には、皇太子さまと秋篠宮さまのお姿。天皇陛下とお2人が一堂に会される「頂上会談」が行われた。
「皇室の将来を話し合う場として2011年頃から不定期で行われています。陛下のお気持ちはその会談を通してご家族に共有されます。会談後のお食事に、美智子さまが加わられることもあったと聞きます。目下の話題はやはり、陛下の生前退位についてだったことでしょう」(宮内庁関係者)
元日から、主要メディアでは皇室にまつわる報道が続いている。《生前退位を可能にする特例法案を国会提出》《退位後の陛下の呼称を上皇(太上天皇)とする》《秋篠宮さまを皇太子待遇に》。そして「2019年1月1日」に皇太子さまが即位され、新たな元号へと切り替えることを政府が検討中だと報じられた。
1月17日、宮内庁の西村泰彦次長は会見で、「元日の即位は難しいのではないか」と述べた。だが、昨年8月の「お気持ち」表明を、陛下は次のようなお言葉から始められた。
「戦後70年という大きな節目を過ぎ、2年後には、平成30年を迎えます」
平成30年は、西暦でいうと2018年。お言葉には、陛下がその年をひとつの区切りと考えられていることがありありとにじむ。2018年を最後に平成の世は終わりを迎え、「徳仁天皇」と「雅子皇后」が誕生する。その日まで、残された時間は2年を切っている。
皇位継承のことを、皇室用語で「御代がわり」という。近代においては、先代の「崩御」をもって行われてきた皇位継承が、今回は「天皇陛下の退位」と「徳仁天皇の即位」によって実現する。つまり、今回の御代がわりのタイミングは“自然発生的”ではないので、あらかじめ誰かが決めておく必要がある。