古くなると再調達価額から経過年数や使用による消耗分が引かれるので、支払われる保険金額が減ります。そのため建て直しや家財の買い替えの際に、お金が不足してしまいます」(浅井さん)
◆耐震性の高い建物でも地震保険には入るべき
火災保険では、地震を原因とする火災や津波、損壊などは補償の対象外。熊本地震では土砂災害によって被害を受けた家もあったが、地震保険未加入世帯は「地震を起因とする土砂災害」のため、火災保険の土砂災害の保険金は支払われなかった。
地震保険の対象は住居用の建物と家財で、保険金額は火災保険金額の30~50%の範囲とされ、限度額は「建物5000万円」「家財1000万円」までと定められている。
「地震保険は被災による損害をすべてカバーするものではありませんが、生活再建の足掛かりとするための制度と考えてほしい」
と松島さん。それでも地震保険には入るべきなのか。浅井さんは「持ち家なら入っておく方がいい」と指摘する。
「“建物の耐震性が高いから”という理由で入らない人がいますが、それは危険です。隣の建物が倒壊して被害を受けるかもしれませんし、火災に巻き込まれることもある。周囲の建物の築年数や密集度合などの状況まで見極めることが必要です。
また、建物は大丈夫でも大型の家具や家電製品、パソコンなどが壊れてしまう可能性もある。すべて自腹で買い替えるのは大変な負担です」(浅井さん)
◆地震保険の値上げは続く。入るなら長期契約で
一般住宅向けの地震保険料は、今年1月1日から全国平均で5.1%引き上げられた。政府の地震予測で首都圏直下型地震などの発生リスクが引き上げられたためだ。
「今後も段階的に引き上げは続き、最終的には平均19%アップします。ですから、今のうちに長期契約で加入しておきましょう。まとめ払いすると保険料も割引になります」(浅井さん)
※女性セブン2017年2月2日号