スポーツ

高橋由伸監督を悩ます巨人の複雑なチーム内派閥事情

大補強の結果、派閥争いもさらに複雑に

 今オフの巨人選手の動向で、関係者を驚かせたのが「阿部(慎之助、37)が小林(誠司、27)をグアムの自主トレに連れて行ったこと」(担当記者)だった。

 昨年は単身自主トレに励んでいた阿部が、「これまでの16年間で積み重ねてきた正捕手としての経験をすべて小林に教える」と公言し、年明け早々から2人でグアムに乗り込んだのだ。

「スポーツ紙は、阿部が小林の髪をバリカンで刈り上げる様子を報じたり、配球論の真髄を詰め込んだ“阿部ノート”が渡されたという記事を載せたりして、“小林が阿部の弟子になった”と喧伝しました」(球団関係者)

 プロ野球の自主トレといえば、2月のキャンプイン前のスポーツニュースの定番だが、チーム内の「派閥」の存在が図らずも浮かび上がってくることから、前の年からの“変化”がないか、球団関係者は気を配って注視している。

 それだけに「小林が阿部に弟子入り」報道は大きな波紋を広げた。

「とくに巨人の選手はグループの組み替えが頻繁にあるので、その動向は非常に興味深い。実は、巨人では過去に最大派閥だった『チーム阿部』がいったん“解体”された経緯があるのです」(前出の担当記者)

 もともと阿部は、坂本勇人(28)や長野久義(32)といった生え抜きの主力を誘ってグアムで自主トレをしてきた。そこに藤村大介(27)や大田泰示(26、昨年11月にトレードで日ハムに移籍)ら若手も合流。

「グアム滞在中の食費や宿泊費まですべて阿部が負担する面倒見の良さに、一時期は内海哲也(34)を中心とした投手陣まで加わる一大勢力になっていた。

 ところが一昨年、阿部がコンバート失敗で極度の不振に陥り、昨年は初の単独自主トレとなった。すると坂本と長野は、新たに村田修一(36)や實松一成(36)を迎え入れて『チーム・サカチョー』を結成したんです」(同前)

 つまり、1年前に派閥をいったん解消した阿部が、今回改めて“新チーム”を結成したという状況なのである。

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