FA市場で他球団の主力選手を相次いで獲得し、大型トレード、新外国人獲得にも乗り出した読売ジャイアンツ。その大補強の末に、キャンプイン前からチーム内の派閥争いが漏れ伝わってきた。たとえば、1年前に派閥を解消した阿部慎之助(37)が、後輩捕手・小林誠司(27)とチーム(というか派閥)再結成に動き、グアムで自主トレを行なったにもかかわらず、同じグアムで自主トレをする元同派閥の坂本勇人(28)や長野久義(32)らの「チーム・サカチョー」と合流しないのも、微妙な距離感の表れだ。
「休みの日には一緒にゴルフをしていますから、関係は悪くないと思いますが……」(球団関係者)
一方、「元チーム阿部」であるはずの「内海組」は昨年の時点で拠点をグアムから沖縄に移した。中心メンバーは従来通り内海哲也(34)、山口鉄也(33)、大竹寛(33)ら投手陣だが、いかんせん昨年は成績がパッとせず、V逸の戦犯ともいえる面々。
「今オフの大型補強の“原因”を作ったメンバーですから、新加入・森福允彦(30、ソフトバンクから)のいるグアムには戻りづらいでしょう(森福はグアムにて阿部に挨拶済み)。このチームからは昨年、ストッパーの澤村拓一(28)が離脱してハワイでの調整になった。そのハワイでは群れることを嫌う絶対的エース・菅野智之(27)が、東海大の後輩である中川皓太(22)と自主トレをしている。
昨年は澤村がチーム菅野に乱入しているが、菅野からすれば昨シーズンは、何度も自分の先発した勝ちゲームを澤村の救援失敗でフイにされていますから、一緒にいて面白くない感情もあるでしょう」(別の球団関係者)
ただでさえ、先発ローテーションの椅子を奪い合う投手陣の距離感は微妙だ。日ハムからトレードで移籍してきた吉川光夫(28)は、これまで通り宮古島での単独自主トレを選択した。
「一方、左の先発の座を吉川と争う杉内俊哉(36)は復活を期すシーズン。一昨年まで一緒にやっていた江柄子裕樹(30)、土田瑞起(27)を再び集めて一緒に地元・鹿児島で調整した上でキャンプに臨む構えです」(地元紙記者)
※週刊ポスト2017年2月3日号