かつてアイドルグループ「セイントフォー」の一員として人気を博し、その後Vシネマなどで大活躍した女優の濱田のり子が、1995年に発売された写真集『SHOWERS』(スコラ刊・撮影/渡辺達生)の思い出を振り返る。
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この写真集『SHOWER』を撮る前に、別の写真集で初ヘアヌードに挑戦したんです。ちょうどヘアヌードブームの頃で、それまでにも何度もオファーをいただいていたのですが、歌手業にこだわりがあってすべて断わっていました。
でも、30歳を迎えて女優業にも力を入れたいと思い始め、チャレンジしてみたんです。もともと写真が好きだったので、カメラマンさんに外国の写真集や雑誌を見せて「こう撮ってほしい」なんてお願いしました。生意気でしたね(笑い)。
おかげさまで最初の写真集は好評をいただきましたが、私のこだわりでアート色が強くなりすぎた。そこで2冊目の写真集のお話をいただいた時に、「今度はすべて委ねよう」と決めました。
ロケ地はハワイ・マウイ島のハナという、手つかずの自然が残る天国のような田舎町です。カメラマンの渡辺達生さんとは初めての撮影でしたが、ポーズを指示されることは一切なく、私の自然な動きを切り取ってくれました。
まだフィルムの時代なのに何千枚も撮ってくれて、どんなに長時間にわたっても「いつまでも撮られていたい」と思えるほど心地良かった。食事も忘れて、一日中撮影してましたね。自分を思いきり解放できて、「写真って楽しいな」と初めて思えた大切な作品です。
最近、渡辺さんが当時の写真をスマホに保存していると知りました。「この写真を見ると元気をもらえる」と言われた時はうれしかったですね。
4年前、解散から26年ぶりにセイントフォーの復活ライブをやったところ、たくさんのファンが駆けつけてくれました。活動期間は2年半でしたが、人生で最も頑張った時間でした。
今年もまたセイントフォーとしてライブをやりたいし、舞台などお芝居にも挑戦したいですね。
●はまだ・のりこ/1965年2月22日生まれ。埼玉県出身。1982年、東宝主催のオーディションに合格し、1984年に4人組のアイドルグループ「セイントフォー」の一員としてデビュー。「デビューにかけた費用は40億円」と喧伝された。事務所社長からは「ジャッキー・チェンを目指せ」と叱咤され、アクションができるアイドルとして厳しいトレーニングを課された。1987年に解散後、セクシーアイドルユニット「ピンクジャガー」を経て、1995年に自身初の写真集『BITE IT!』(ぶんか社)でヘアヌードを披露。『SHOWER』(スコラ刊)は2作目の写真集となる。その後、グラビアやVシネマ、映画などでセクシーな魅力を振りまいた。
※週刊ポスト2017年2月3日号