日常を忘れてハマれるドラマには、今のあなたが心の奥で望んでいる要素がちりばめられているもの。今回は、人とのつながりを大切にするあまり自分を見失い、自分を見つめ直したいと思っている「原点回帰タイプ」の人向けの冬ドラマ3作品を心理セラピストの内藤由貴子さんが解説する。
ひとつめは、『お母さん、娘をやめていいですか?』(毎週金曜22時~(NHK総合)。まるで親友か恋人のような関係の母・顕子(斉藤由貴)と娘・美月(波瑠)。だが、娘に恋人ができると、その関係は崩れはじめ…という物語。娘への依存から、ストーカー紛いの行動をする母に注目。
「私のところにも、カウンセリングの際に、母親に自分はコントロールされているのでは、という女性からの相談が多いんです。娘も母の期待に応えようとすることを、共依存というのですが、これは夫との関係性が希薄なことも原因の1つです」(内藤さん、以下「」内同)
ドラマでも夫より娘の方が大事というのが見て取れる。これを見て、自分はちゃんと子離れできているか、あらためて考えてみてほしい。
二つ目は、『就活家族~きっと、うまくいく~』(毎週木曜21時~、テレビ朝日系)。何不自由なく平穏に暮らしていると思っていた家族4人が、ひょんなことから家族全員、就職することに。
家族全員が、就活中という極限状況に陥る、まさに原点回帰物語。
「人は大事件が起こると、“平穏な日々は当たり前ではない”と気づくことがありますが、夫の失職、子供の不登校しかり。そこで自分や相手を責めるのではなく、互いの理解に努めると、家族がひとつになる機会になります」
この家族も一丸となりピンチを越えれば、さまざまな解決策が見えてくるはず。その姿は生きる上で参考になる。
三つ目は、『東京タラレバ娘』(毎週水曜22時~、日本テレビ系)。30才で彼氏なし。売れない脚本家の倫子(吉高由里子)は、女友達3人と酒場で本音トークを展開。そこに金髪のイケメンKEY(坂口健太郎)が現れて…。
「あの時、ああしておけばよかった」という後悔は、大なり小なり誰もが経験すること。
「彼女たちは、それなりに頑張って生きています。でも、仕事も恋も報われていない。“30才女子あるある”ですが、女子会でタラレバを言って、互いの傷を舐め合うのは現実逃避です。年下男子の指摘で、行動していない自分に気づけば、彼女たちも大人へと成長していくはずです」
※女性セブン2017年2月9日号