早くも飛散しているという花粉症。マスクに花粉防止メガネで防御、という人も少なくないが、花粉症に悩まされている人ならば皆さんつけているそのマスク、残念ながら「役に立っていない」ものも多いらしい。
医薬情報研究所エス・アイ・シーの医薬情報部門責任者で薬剤師の堀美智子さんはこう指摘する。
「スギ花粉はマスクの上のすきまからも入ってきますので、目と鼻の間にすきまを作らないよう、マスクを肌に密着させてください」
意外に多いのはマスクの「2度つけ」。
「1度使ったマスクの外側には花粉が付いているので、1日使ったものは必ず捨てて、新しいものに替えましょう」(堀さん)
家の中に花粉を持ち込まないための工夫も必要だ。日本医科大学医学部教授の大久保公裕さんも、こう語る。
「寒いのをがまんして、コートについた花粉を払い落とすのは、玄関ではなく、家の外で。そして家に入ったら、すぐにシャワーを浴びましょう。そのほかに、500mlの湯冷ましに小さじ1杯弱の食塩を溶かしたもので、鼻うがいや目の洗浄を行うのもおすすめです」
花粉が飛ぶ時期は空気清浄機が欠かせないという人も多いが、その置き場所には要注意。
「花粉が舞うのは、人が動き空気も動く場所です。なので、ベストな置き場はリビングのいちばん奥ではなく、入り口。寝室も、人の出入りが少ないので置いてもあまり意味がありません」(大久保さん)
むしろ寝室などには加湿器がおすすめだ。
「空気を湿らせると花粉が重くなり、飛ばなくなるからです。室内の湿度を40~50%にしておけば、花粉は高く飛びません」(大久保さん)
床に落ちた花粉を取り除くには掃除機もいいが、拭き掃除の方がよりきれいに花粉を除去できる。
食べ物での対策ではヨーグルトがよく知られている。
「ヨーグルトに含まれる乳酸菌には免疫を調整する作用があり、症状を軽くできる効果が期待できます。ただし、即効性があるわけではなく、1、2か月の間、毎日食べないと意味がありません。1、2日食べただけで“効果がない”といってやめる人もいますが、腸内にある常在菌は変わらず、腸内環境は元に戻ってしまうので、きちんと続けてください」(大久保さん)
スギの葉を干して刻んだものを煮出して飲むスギ茶も注目されているが、これには注意が必要だと大久保さんは指摘する。
「スギ成分が入っていると、アレルギー反応で胃が痛くなったり、最悪の場合、アナフィラキシーショックを引き起こしたりするケースがあるのでおすすめできません」
※女性セブン2017年2月9日号