カジノの合法化に向けた「統合型リゾート(IR)整備推進法案」が2016年末に可決した。いよいよ日本国内でのカジノ解禁が、実現しようとしているわけだが、当然問題点も山積みだ。
2006年に貸金業法が改正され、多重債務者が激減し経済的な理由で自殺者も激減してきた。パチンコ依存で多重債務を重ね、自殺者も出てきたという現実を見てきた弁護士の新里宏二さんが説明する。
「しかしカジノが合法化されれば闇金が登場し、再び多重債務者を増やすことになるでしょう。韓国然り、シンガポールもまたローンシャークと呼ばれる闇金で借金を重ねる人が後を絶ちません」
刑法では、賭博及び富くじに関する規定をもうけて賭博を禁止しているが、公営ギャンブルの競馬、競輪、競艇、totoは罪に問われない。
「賭博を禁じていたのに、公営ギャンブルが解禁されたのは戦後復興との意味合いがあったからです。宝くじは販売総額の40%が収益金で、残りは発売した全国都道府県の政令都市に納められて教育資金や高齢化、少子化対策に使われています。ですがカジノは民営ですから、公的な意味合いはありません。これが賭博罪に当たらないのか、法務省の判断が待たれるところです」(新里さん)
◆夫が通い、妻が体を売り、娘はJKビジネス、というシナリオ
脚の付け根が見えそうなほどの深いスリットの入ったボディーコンシャスなドレス姿の妖艶な女性が、真っ赤な口紅をひいた唇をそっと顔に近づけて誘惑する──。カジノにやってくる男性客を誘惑する売春婦は、カジノを舞台にした作品に欠かせない。風俗ライターの間では、「勝ってもイキたい。負けてもイキたい」などと、鼻息荒くカジノと売春婦の親密な関係について語るのが常だそうだ…。
「韓国のカジノで、ぼくら日本人の男性のグループをゲームをしている最中からじっと見ている女性たちがいました。カジノを出るとその女性がやってきて、どう? と声をかけてきました」(40才・会社員)
海外を見わたすと売春は半ば公然と行われている。2015年に大規模な摘発があったマカオでも、それまで自由恋愛の延長だとして黙認されていた。日本でもカジノができれば、売春婦が増え、性風俗産業がますます盛んになっていくのだろうか。