かつてプロ野球のシーズンオフには、人気選手のレコードが発売されたものだ。1960年代~70年代に名選手たちが出した多彩なレコードの数々を紹介しよう。
●王貞治『白いボール』(1965年・日本コロムビア)
55本塁打の日本記録を達成したオフに発売。世界記録の756号を打った1977年に再販。朴訥な歌い方がファン心理をくすぐる。
●山本浩二『ひとり』(1975年・CBSソニー)
初めて首位打者を獲得し、カープ初優勝の1975年、赤い服に赤い文字と広島カラーを強調したジャケットで華麗にデビュー。
●王貞治、山本浩二、田淵幸一、星野仙一、平松政次、松岡弘『六つの星』(1976年・日本コロムビア)
セ・リーグ発足25周年の記念曲。細川たかしをメインに6球団の代表選手がバックコーラスで参加し、一緒にレコーディング。
●山口高志、加藤秀司、山田久志、大熊忠義『ああ!王者』(1976年・東宝レコード)
『ひらけ!ポンキッキ』『南の島のハメハメハ大王』など幼児向けを得意とする伊藤アキラが作詞。阪急黄金期に発売の応援歌。
●大洋ホエールズ選手『行くぞ大洋』(1977年・日本コロムビア)
横浜スタジアム開場前年、12球団最後となる大洋初の球団歌。歌手の三鷹淳を中心に、山下大輔や松原誠など10選手が参加。
●掛布雅之『掛布と31匹の虫』(1978年・CBSソニー)
はらたいら作詞、後にZARDを手掛ける長戸大幸作曲の豪華布陣。子供の元気なコーラスと掛布のテンションの低さが対照的。
●平松政次『愛してヨコハマ』(1979年・エルボン)
大洋が本拠地を川崎から横浜に移転した翌年に、球界で美声に定評のあった平松が発売した曲。同年には最優秀防御率を獲得。
●小林繁『亜紀子』(1979年・キャニオン)
江川卓とのトレードで阪神に移籍して沢村賞を獲得したオフにデビュー。オリコン41位を記録し、発売1か月で10万枚を突破。
●柳田真宏『しあわせに』(1979年・RVC)
現役時代だけでなく、引退した翌年5月にプロ歌手としてデビュー。現在は東京・八王子でカラオケスナックを経営。
■協力/スージー鈴木、えとせとらレコード
※週刊ポスト2017年2月10日号