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高血圧ワクチンは降圧剤より安い反面、課題も残る

高血圧患者は国内に約1010万人

 高血圧患者は国内に約1010万人もいる。しかし、その対策といえば食事の見直しや運動による減量など体質改善、さもなければ「降圧剤」という対症療法に頼るしかない。

 この現状を打ち破ろうとしているのが「高血圧ワクチン」だ。「1回打つだけで、数年間血圧が安定する」という夢のような効果が期待されている。

 バイオベンチャー・アンジェスMGは1月17日、「高血圧ワクチン」に関する特許が国内で承認されたと発表した。ワクチンが実用化すれば、「降圧剤」で起きていた問題も解消できる。高血圧で通院する60代の男性が沈痛な表情で語る。

「医師から処方された降圧剤を毎日欠かさず飲むのは正直、苦しい。時々、飲み忘れてしまい、冷や汗をかくこともしばしば。“オレは一生薬漬けなのか”と気が滅入ることもあります」

 この男性のように降圧剤を「飲み忘れる」と血圧が上昇し、放置していると動脈硬化につながり、脳卒中や心筋梗塞、腎不全などの重病リスクが高まる。昨年3月に発表された韓国がんセンター病院の調査で、降圧剤の飲み忘れと患者の死亡リスクが関連することが判明している。

 同調査では20歳以上の男女約3万3000人を対象にして、降圧剤の「アドヒアランス(服薬遵守)」の割合を「良好群(80%以上遵守)」「中間群(50~80%遵守)」「不良群(50%未満)」に分けて調査した。

 アドヒアランス率50%とは30日間のうち15日しか薬を飲んでいない、または30日分の薬を処方されたにもかかわらず、2か月に1回しか受診しなかった場合を指す。その結果、「良好群」と比べて「不良群」は虚血性心疾患で64%、脳出血で119%、脳梗塞で92%も病気による死亡リスクが高まった。

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