小池百合子・東京都知事(64)がまた新たなプロジェクトをぶち上げた。「東京未来ビジョン懇談会」という名称で、小池知事を座長とし、各界で活躍する若手著名人を集めて議論する会合で、元AKB48の高橋みなみ、フェンシング五輪メダリストの太田雄貴、写真家の蜷川実花らがメンバーとなっている。
東京都政策企画局の担当者は意図をこう説明する。
「具体的な分野、テーマを設けず、大きな柱として『東京の明るい未来』を掲げ、それの未来に向けて若手の方と自由闊達に意見交換する場です。人選は基本的に小池知事が選んだ方です。基準としてはまず若手、アラフォーまでの方を選んでいます。東京の未来について自分の考えがあり、提言が期待出来る方々です」
小池知事の肝煎りというのはよく分かったが、狙いがイマイチ分からない。都庁担当記者はこう勘ぐる。
「小池知事は内田茂氏、森喜朗氏、石原慎太郎氏ら高齢政治家とバトルしている。『若い人と東京の未来を考える』というのは、彼らへの嫌味や当てつけという意味もあるのではないかと、記者たちの間では囁かれています」
しかし気になるのは、なぜ上がアラフォー(40歳前後)までなのか、ということ。メンバーには都内の高校に通っている「高校生内閣」なる市民グループも入っており、若手色を出すなら20代まで、30代までなどと明確に区切っても良かったはずだ。アラフォーとは、何とも曖昧である。
「小池知事がメンバーにしたい人で何人か40歳以上がいたからだそうです。とくに知事がお気に入りの伊勢谷友介さんが40歳なので、彼が入れるようにアラフォーまでという括りにしたんじゃないかと噂されています(笑い)」(同前)
確かに、小池知事の彼に対する熱の入れようは相当で、懇談会設置を発表した記者会見でも真っ先に名前を挙げ、
「俳優さんとか映画監督、リバースプロジェクトの代表を務めておられます、昔、白洲次郎の役(NHKドラマスペシャル)を演じられたと思いますけど伊勢谷友介さん」
と役名までアピールした。1月30日に予定されている第1回会合でプレゼンするのも伊勢谷だという。
もっとも、知事が伊勢谷を気に入っているのは、単なる顔の好みだけではない。実は昨年、豊洲市場の盛り土問題が発覚した際、伊勢谷は自身のツイッターで「築地市場の豊洲移転の件。都政は完全に不正を働いていましたね。政治家は利権を得る立場ではないはずだけど。(中略)政治の膿をキチンと炙り出さないと」と痛烈に都政を批判した。
つまり伊勢谷は、小池にとって、高齢政治家と戦うための強力な援軍としても期待されているのだ。
※週刊ポスト2017年2月10日号