2009年7月7日、全世界に中継されたマイケル・ジャクソン(享年50)の追悼式。金髪のお人形のような少女がマイクの前に立ち、泣きながら、しかし毅然としてこう語った。
「私がこの世に生まれてからずっと、父は誰から見ても最高の父でした」
あれから8年──18才になったパリス・マイケル・キャサリン・ジャクソンの衝撃のインタビューが大きな波紋を呼んでいる。米カルチャー誌『ローリング・ストーン』の最新号に掲載された大特集『パリスが沈黙を破った』である。
モデル、女優として活躍するパリスは兄・プリンス(19才)いわく「彼女はほとんど父親そのもの」というほど色濃くマイケルを受け継ぐ。そのパリスが初めてメディアで半生を告白した。
彼女が『ネバーランド』に住んでいたのは7才の頃まで。遊園地に動物園、映画館もついた夢の国に暮らしながら、父がスーパースターであることも、名前がマイケルだということも知らなかったという。学校に行かずに自宅学習をしていた子供たちにとって遊び相手は父だけだった。しかし、11才の時に父が他界。私立学校に7年生から編入した。
《早く大人になろうとしすぎて、13、14、15才の子供がやってはいけないことをいろいろやってた。いい人間ではなかった》
インタビューで学校生活を振り返ったパリス。14才で《かなり年上の“見知らぬ他人”》からレイプ被害にあったことを明かした。
《細かいことは話したくない。でも悲しい体験だったことは確か。とても辛くて、誰にも言えなかった》
2013年6月、当時15才のパリスが手首を切り、20錠の鎮痛剤をのんで自殺を図ったというニュースが報じられた。
《自分を大切に思えず、何もできないように思えて生きている価値なんてないと感じたの。(中略)たまたま、あの1回が公になっただけ》
彼女は当時の報道を振り返り、自殺未遂を複数回繰り返していたことも明かした。米芸能事情に詳しいデーブ・スペクター氏が語る。
「パリスの個性的なファッションも過激な発言も“マイケルの子供”ということで大目に見られてきた。でもこのインタビューは違う。話しすぎというレベルです」
インタビューで彼女の半生よりも衝撃を与えたのは、パリスが踏み込んだ“自らの出自”と“父の死の真相”についてだった。