国内

生活保護にかかわる小田原市職員、異動希望者多い

危険と隣り合わせ。生活保護に関わる仕事の実態とは

「不正受給撲滅のために闘ってほしい」「応援している。負けるな」。意外にも、渦中の小田原市役所にこんな激励メッセージが相次いで届いているという。発端となったのは、最近、メディアをにぎわした“あのジャンパー”だ。

 左胸のエンブレムには「HOGO NAMENNA(保護なめんな)」との文字が躍り、背中には英語でこんな文言が並んでいる。

「私たちは正義。不正を見つけたら追及する。不正受給して市民を欺くのであれば、あえて言う。そのような人はくずである」

 ジャンパーを作成したのは、神奈川県小田原市で生活保護を担当する職員。勤務中、保護費受給世帯を訪問する際などに着用していたという。

「なめんなジャンパー」の存在が明らかになると、「人権侵害」「信じがたい」など批判の声が巻き起こった。当然だろう。小田原市は1月17日に会見を開き、「不適切だった」と謝罪し、着用の禁止と関係者の処分を発表した。

 生活保護制度に詳しい関西国際大学の道中隆教授も呆れ顔だ。

「小田原市の職員には生活保護に携わる専門性が感じられません。生活保護は最後のセーフティーネットであり、圧倒的多数の受給者はまじめに頑張っています。人々の痛みを理解して目配りする取り組みが行政には必要ですが、あまりに配慮を欠いています」

 ジャンパーが誕生したきっかけは2007年7月。この時、小田原市で不正受給が発覚し、生活保護を打ち切られた60代男性がカッターで職員を切りつける事件が発生した。気落ちした職員の士気を取り戻すために当時の係長がジャンパー作成を提案し、これまでに計64人が自費で購入したという。不正受給を許さない心意気やよし、だ。とはいえ、こんなジャンパーを着ていたらいつか問題になるとわかりそうなものだが…。

 小田原市で生活保護にかかわる現役の男性職員・Aさんが神妙な面持ちで語る。

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