中国の習近平主席が外遊などの際に利用する航空機を現在の中国民航機から、中国人民解放軍空軍所属の「空軍1号(エア・フォース・ワン)」にし、機体も従来の旅客機モデルから、空対空ミサイルなどの軍備を充実した戦闘機モデルに変える計画が進んでいることが明らかになった。早ければ、年内にも実現する。米国を拠点にする中国問題専門の華字ニュースサイト「博聞新聞網」が報じた。
今回の中国の「空軍1号」計画は明らかに米国大統領専用機エア・フォース・ワンがモデルになっているようだ。
「エア・フォース・ワン」は米大統領専用機の愛称であり、本来はアメリカ空軍機が使用するコールサイン。大統領が搭乗していない時や、大統領の任期が飛行中に終了した時は、その機体がアメリカ合衆国大統領専用機であっても、このコールサインは使われない。副大統領専用機は「エア・フォース・ツー」。
エア・フォース・ワン、ツーはともに世界中どこにいても指令を出すことができる通信システムや通信上の暗号装置など備えている。このため、緊急時にもエア・フォース・ワンならば、「空中司令部」となりえる。
また、公表されていないが、エア・フォース・ワンは米空軍機であることから、航続距離を伸ばす空中給油装置、赤外線誘導ミサイルに狙われた際の妨害機器、機銃やミサイル類も装備されているとされる。
ところが、中国の最高指導者、習近平主席の専用機はというと、ボーイング747-400機が使われており今年で継続使用16年目の老朽機の部類に入る。所属は民間企業の中国民航であることから、武器類はほとんどなく、空軍機に装備されている広域監視レーダーシステムも搭載されていない。
いまや世界中で国際的なテロ組織が暗躍する時代であり、とくに中国の場合、イスラム教系の少数民族問題なども抱えていることから、いつ攻撃されても不思議ではない。
このため、習氏ら最高指導部の安全を確保するためにも、米エア・フォース・ワンと同じような装備は必須というわけで、昨年から中国版「エア・フォース・ワン」である「空軍1号」の導入計画が進んでいるという。とはいえ、ネット上では「あまりにも米国の真似であることが見え見えで、中国独自の特徴を取り入れた方がよい」などとの批判的な書き込みが目立つ。