「人生で初めて見た大河ドラマは最初に携わらせてもらった、今の市川海老蔵さん主演の『武蔵』だと思うんですよね」
そう話すのは、26才にして今年芸歴20年を迎える三浦春馬だ。『武蔵 MUSASHI』(2003)、『功名が辻』(2006)に次いで、『おんな城主 直虎』で大河への出演はなんと3作目。役を演じながら「おごらず、礼を重んじて」という教えを学んでいるという三浦の今作への思いとは――。
NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』で柴咲コウ扮する直虎(おとわ)の許嫁だが結ばれず、27才で落命する井伊直親を演じる三浦。
昨年、ブロードウェイミュージカル『キンキーブーツ』の日本人キャスト版で主演を務めドレスとピンヒールを纏った、ドラァグクイーンのローラを熱演し、喝采を浴びたことは記憶に新しい。
「舞台後もなかなかローラが抜けなくて、どうしても仕草がドラァグクイーンっぽくなってしまって(笑い)。自分でもびっくりしたのが、初めて飲んだドリンクに感激してとっさに『すっごくおいしい♪』って、手を(パーの形で大きく開いて)胸元に添えていたんです。それを見た友達が『春馬だめだよ! ローラになってるよ!』って(笑い)」(三浦・以下「」内同)
一転、『おんな城主 直虎』では薄幸のプリンス役。
「現場では着物の帯を締めてもらうことでスッと戦国を生きる男性に戻れました(笑い)。短い直親の人生でぼくが心に残ったのはおとわとの未来が潰えたシーン。すべてを受け止め、のみ込んだ直親が、どうその思いの深さや強さを表現するのか。
武士たる者、涙を見せないのが美学でしょうが、ぼくはひとりになって感情が溢れるまま涙を流してもいいと思った。ぼく自身も感情をバーンと爆発させるタイプではないのですが、涙もろい部分があるので。放送を楽しみにしていてください!」
今作には菅田将暉(23)や柳楽優弥(26)など、同世代の若手も出演する。
「柳楽さんは高校の先輩、菅田くんは過去にぼくの生徒役で共演していて、そんなおふたりと同じ作品に携わらせてもらえることが、純粋に嬉しいです。菅田くんは息子役なのでぼくの出番は終わっていますが、幽霊として出していただけるならば、ぜひ共演を(笑い)。
近くへ寄った際には差し入れをして、現場で『がんばってね!』と言いたいです」
撮影■中村功
※女性セブン2017年2月16日号