「ドッグダンスってご存じかしら? 人と犬がペアを組んでダンスをするドッグスポーツなんだけど、まだまだ日本じゃ珍しいみたいね。こんな感じよ! 見てて!」
くるりときびすを返しパートナーの三井さんと踊り始めた、ニコル。華麗なジャンプで三井さんの足を飛び越えたかと思うと、ぴったり息のあったステップを踏む。
「かっこいいでしょ! 難しそうに見えるかもしれないけど、ひとつひとつの技はトレーニングの延長線上にあるものなの。『お手』や『お座り』だって、組み合わせればダンスになるのよ」
そう、三井さんはドッグダンスのインストラクターであるとともに、家庭犬のトレーナーでもあるのだ。
「犬の業界用語では“服従訓練”っていうんだけど、これだとなんだかとっつきにくい感じがしちゃうわよね。でも、最低限のお行儀を学ぶことは、犬にとってすごく大切なことよ」
三井・ニコルペアのもとでダンスを学んでいるのは、チワワやプードルなどさまざま。
「体の大きさや特徴に合わせて、無理のない振付で踊るの。ダンスを始めてから、飼い主さんとますます仲よくなれた、っていうコも多いわよ。ねっ?」
と三井さんを見上げるニコルの瞳は信頼感という輝きに満ちていた。
【プロフィール】
名前:ニコル(♀)
年齢:5歳
種類:犬(ボーダーコリー)
勤務先:WAN BY WAN
職種:ドッグダンストレーナーのアシスタント
主な仕事内容:三井惇トレーナーのアシスタントとして、訓練やドッグダンスのデモンストレーションを行ったり、ショーに出演したりする。
お給料:住むところと、食べるものが基本給。たまにオヤツがグレードアップしたり、オモチャを新調してもらえたりする。
好きなこと:食べること! ボール遊びや、引っ張りっこ。
嫌いなこと:水に濡れるのがイヤ。
現在の悩み:1歳になったばかりの見習い犬ヴィンセントの新人研修が大変すぎる…。
将来の夢:とにかくヴィンセントが騒々しいので、早くお行儀よく、静かになってほしい。
撮影/山口規子
※女性セブン2017年2月16日号