大事なのは『FAST』。FACE(顔)、ARMS(腕)、SPEECH(話し方)に変異が表れ、TIME(時間)との勝負になるという――。
女優・歌手の河合美智子(48才)が脳出血のため入院していたことを明かし話題になっている。昨年8月、映画の稽古中に足が動かなくなり、病院へ直行したものの、右半身がまひ状態になり、集中治療は1か月半に及んだ。半年経った今も足を引きずるなど後遺症が残り、『恋ダンス』でリハビリに励んでいるという。
河合が発症した脳卒中の正式名称は、脳血管疾患。主な疾患に脳梗塞、くも膜下出血、脳出血がある。日本人の死因第4位に挙がる国民病だ。
医療ジャーナリストの田辺功さんが説明する。
「脳血管疾患の大きな要因となる高血圧は、塩分の多い食事を摂ることにより引き起こされます。それが減塩運動などがありずいぶん改善されました。しかし高血圧は食事だけで起こるわけではないんです。ストレスや喫煙、多量飲酒、肥満、運動不足なども関係しています」(以下「」内、田辺さん)
高血圧は男性や高齢者に多く、「私には関係ないわ」と思っている人も多いだろうが、最近では河合のように女性の発症が増えている。
「現代の女性は、男性と同じように働く一方で、子育てや母親同士の交流などで悩みを抱えることも増えています。また女性は更年期になると、血管を広げる作用がある女性ホルモンが減少しますので血圧は少しずつ上がっていきます。この時期にストレスを解消するために暴飲暴食すると、高血圧に拍車がかかります」
毎日、ボトル半分のウイスキーを飲んでいたという磯野貴理子(58才)は2014年10月、脳梗塞で倒れた。同年12月7日、退院。14日には仕事復帰したものの、一時はうまくしゃべることができなかったという。
「最近は年齢が若いかたも発症しやすい」と指摘する田辺さん。確かにテレビ東京の大橋未歩アナ(38才)が脳梗塞で倒れ救急搬送されたのは2013年1月、34才のときだった。