プロ野球界は2月1日からキャンプイン。各球団の担当記者はキャンプ地をかけまわっている。メディアが伝える各チームのキャンプの情報量は、どうしてもチーム人気に比例するものだが、巨人と人気では双璧を成すのが阪神。関西では1面から4面まで阪神記事のスペースとなる。
阪神の場合、一軍は沖縄、二軍は四国・安芸でキャンプを張るので担当は二分される。以前は新人が安芸に行かされたが、昨シーズンから掛布雅之・二軍監督が就任し、安芸にもベテランが投入されるようになった。
「今年は西岡(剛、32)も二軍スタートなのでなおさら人員を割く。阪神の場合にはネタが取れるかは『OBとの専属契約』に左右される部分があるから、巨人担当とは違った記者たちの苦労がありますよ」(在阪スポーツ紙デスク)
巨人の主要なOBは読売系の新聞・TVが評論家として契約するが、阪神OBは在阪のスポーツ各紙が専属契約を巡って取り合いになることがほとんど。そして、専属評論家を経て阪神の監督になると、所属先だったスポーツ紙の取材が有利になるとされている。
「そこでストーブリーグでは、自社の評論家を監督やコーチに押し込もうと各社が憶測記事を派手に飛ばすわけです。金本(知憲)監督は就任前はデイリーとスポニチの専属だったので、今はこの2社が有利といわれている。
とはいえ、金本(知憲)監督はヨシノブ(高橋由伸・巨人監督)と違ってはっきりしゃべるのでまだやりやすい。野村(克也)監督時代は、囲み取材で報知や中日スポーツの記者を見つけては“スパイがおる”とからかっていましたから、緊張感が違いました(苦笑)」(同前)
※週刊ポスト2017年2月17日号