春休みの計画を、そろそろ決めたい時期だが、“ワケありの宿”を選んではいかがだろうか。「それってお化け部屋じゃあ…」と思うなかれ。ワケといっても、眺望や音の面で、ちょっぴり“難あり”なものがほとんど。豪華ホテルや旅館に格安で泊まれるなら、むしろ見逃す手はないのだ。
以前からワケありの宿は、存在した。しかしかつては、建物の点検や、工事中の施設、日当たりが悪い部屋などは、ホテルや旅行業界にとって販売しにくい商品でしかなかった。それがここ数年、状況がガラリと変わった。『じゃらん』統括編集長の大橋菜央さんは言う。
「傷のついた農作物やちょっと欠けた海産物などを、“ワケあり食品”として、販売する通販サイトが多く登場。それが案外、お得なものと認識されるようになりました。“ワケあり”という言葉が広く浸透したことにより、旅行業界でも“ワケあり”とプランにつけて、販売するようになったのです」(大橋さん、以下「」内同)
ワケあり商品は、一見、マイナスのようだが、むしろいつも以上にサービスが受けられることも多いという。
「景観が少し悪い部屋でも、間取りが広くて、快適に過ごせるケースも少なくありません。それに、景観は夜になってしまえば関係ないので、昼間は外で観光を楽しむという人にとっては、何の問題もありません。料理やお風呂が充実していれば、むしろお得な料金で、心身ともに満足した時間が過ごせます」
ワケありの宿を探すにはどうすればいいのか。
まずグーグルやヤフーなどの検索エンジンで、“ワケあり”“宿”と検索すると、旅行サイトの『じゃらんnet』『るるぶトラベル』『楽天トラベル』など、さまざまなサイトの“ワケあり宿プラン”が表示される。
たとえば、『じゃらんnet』ひとつとっても、ワケありをキーワードに検索すると、1000件以上のホテルや旅館のプランが出てくる。人によってはこれで面くらってしまうだろう。
「そこから行き先や目的などを絞り込むのですが、まず参考にしてほしいのが、クチコミです。たいていのサイトは利用した人の声を書き込めるクチコミ欄が設けられています。同じサービスを受けても、感じ方はそれぞれ。なので、“小学生の子がいる”とか、“女友達”など、旅行メンバーの構成が似ている人や、“露天風呂つき”“食事が充実”など、自分と条件や好みが合いそうな利用者のクチコミを見つけて、内容をよく読んで、選ぶ基準にするといいでしょう」
※女性セブン2017年2月23日号