ビートたけし氏は、その言動が常に注目される著名人である。彼がテレビで語った一言が、ニュースとして新聞やインターネットの見出しになることも少なくない。しかし本人は、そんな現状を決して快く思っていない。著書『テレビじゃ言えない』(小学館新書)ではこう語っている。
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マスコミの中で特に「情けない」と感じるのがスポーツ新聞がやってるネットニュースだ。
オイラが『ニュースキャスター』や『TVタックル』でしゃべった内容を、「たけし◯◯について語った」とかいうタイトルでニュースにしてさ。別に悪いことじゃないのかもしれないけど、テレビ番組のコメントを拝借するだけなんて、取材とは言えないだろう。
プロとしてのプライドはないのかって話でさ。
インターネットのまとめサイトが、無断転用や捏造で、とんでもない医療記事を垂れ流していたというニュースもあった。
最近、そういう当たり前のモラルみたいなものが忘れられちまってる気がするんだよな。
そのくせ、誰かがヘマすると寄ってたかって叩いて「炎上」みたいなことになるんでさ。なんだかチグハグな世の中になっちまってるよ。
※ビートたけし/著『テレビじゃ言えない』(小学館新書)より