年齢を重ねるとともにどんどん面倒くさくなっていく男は少なくない。東京都に住む保険代理店勤務の女性Kさん(63才)の夫は、60才を超えて面倒臭さに磨きをかけている。Kさんが告白する。
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電車のつり革は決して触らない。病院のスリッパはバイキンまみれとマイスリッパを持ち歩く。外食は苦手だし、公衆トイレなんてもってのほかの夫(61才)。
もちろん、家に帰ってきたら玄関で除菌スプレーを自分にかけて、うがい、手洗い。ものすごいスピードで服を着替えて、仕上げにティッシュで自分の座る椅子をキュッキュと拭いて「どっこいしょ」。
風邪やインフルエンザが流行する冬は、普段の3倍の時間をかけて、爪の先から、ひじまでスポンジで洗うの。
それでも風邪をひくと、「お前が菌を持ってきたんだ」と私のせい。別に反撃はしないけどさ。夫に友達がいないのも、いい大学出たのに課長止まりだったのも、「なるほどな~」よね。
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一方、千葉県の清掃パートの女性Fさん(60才)の夫は、なんとも気持ち悪い方向に進んでしまった。Fさんが明かす。
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男兄弟の中で育ち、子供は息子2人。だから、初孫が女の子だったときの夫(64才)の喜びようといったら、親戚中がどん引きだったわよ。遊びにきたら最後、ずーっと抱っこ。ちょっと離れて顔を見ては、とろ~ん。
誰かが話しかけると、「シーッ」って、ものすごい目でニラんで再び、とろ~ん。
このくらいならなまだ罪はないんだけどね。やめてほしいのは最近、孫を女扱いしだしたの。「よし、おれが抱いてやる」と手を差し出して嫁をギョッとさせ、孫が泣けば、「女に泣かれるのがいちばんつらいよ、ベイビ~」って。いつの時代の誰のつもりよ。
息子も嫁も、夫にお小遣いをもらっているから、微妙な顔して黙っているけど、孫から気持ち悪がられるのは時間の問題だね。
※女性セブン2017年2月23日号