誰もが羨む大豪邸は多数あっても、価格や持ち主の素顔などは謎に包まれていることも多い。そんな大豪邸にまつわる“世にも奇妙な物語”を紹介しよう。
◆官公庁オークションに出された「756万円」“事故物件”騒動
昨年4月、「千葉市がヤフーオークションに信じられない安さで豪邸を出品している」と、騒動になった。敷地面積527平方メートル、部屋数12を誇る豪邸が、最低落札価格「756万円」で売りに出されていたのだ。「普通であれば3000万~5000万円はする物件」(地元の不動産業者)という。
ただし、物件紹介ページにはこんな一文が添えられていた。
〈この物件は、平成26年1月に建物内で殺人事件が発生した物件です〉
事件が起きたことで売値が下がる、いわゆる“事故物件”だったのだ。かつて住んでいた男性が刺殺体で発見され、いまも犯人は捕まっていないという。
結局、応札は1件のみで、「1111万1100円」で落札された。
落札者は千葉市内で不動産会社を経営する50代の男性。当時、「シェアハウスやセカンドハウス、東京五輪向けの宿泊施設として考えている」と取材に応えていた。落札した男性に、いまの物件の状況を聞いた。
「外装からなにから全て工事して、もうすぐ生まれ変わります。すでに借り手も決まっていますよ。2階は、外国人の方と賃貸契約を結びました。1階は老人向けのケアハウスにすることが決まっています。内装・外装工事が終わる春先には、入居者が暮らし始める予定です」
装い新たに、再出発する。
※週刊ポスト2017年2月17日号