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角居勝彦調教師、調教は時計より「評価」に注目

角居勝彦調教師

 競馬新聞はその印通りに馬券を買っても儲からない。勝ち馬を予想するための材料を提供してくれるものだと心得るべきだ。数々の名馬を世に送り出した調教師・角居勝彦氏による週刊ポストでの連載「競馬はもっともっと面白い 感性の法則」から、競馬新聞で重視すべきポイントについて解説する。

 * * *
 新聞の朝刊、だれもが読むのは「今日のお天気」だそうです。トップ記事でも社説でも一面下部の名物コラムでもない。やっぱりお天気が大事なんですね。

 では競馬新聞は? 読者の精読度合いは一般紙の比ではありませんね。その中でも注目は「調教欄」。ファン必読の情報といわれます。

 調教欄をどう読み取ればいいのか。ときおり聞かれます。

 その答えはひとまず置いておいて、昔の調教欄は分かりやすかった。各厩舎とも、同じような強い追い切りをこなしていて、調教欄を比べれば、馬の能力差がだいたい分かったものです。新馬戦などは、6割がた能力どおりの決着だったように思います。

 でも、今は分かりにくくなっている。厩舎ごとに調教パターンが違うからです。目ぼしをつけた馬が2頭いるとして、馬場条件が同じでも、タイムの良いほうが強い、とはなかなか言い切れない。調教には明確な目的があり、当然それは厩舎によって、競走馬によって異なります。

 タイムを出したい調教もあれば、そうでない場合もある。

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